この怖い話は約 3 分で読めます。
閉まる瞬間
黒い影のようなものがスッとエレベーターに滑り込んだ。
ような気がした。
が、箱の中には俺しかいない。
気のせい・・・と思って気にせず、5階で止まるのを待った。
・・3・・4・・5・・ え?
5階で止まらずにどんどん上がっていく。
続く
531 本当にあった怖い名無し sage 2008/11/01(土) 06:42:51 ID:1hC6lpeG0
わけがわからないのと、ちょっと怖くなったので急いで9階あたりのボタンを押したが、そこも素通りしてさらに上がる。
確か15階あたりだったと思う。
エレベーターが止まり、ドアが開いた。
真っ暗なホールにエレベーターの明かりがさす。
慌ててもう一度5階のボタンを押して、「閉」を押す。
ドアが閉まりきる直前、さっき見た影がスッと出て行った。
ここである確信を持った。
何かが乗ってた・・・
でも、降りた・・・・から大丈夫。
このまま2階まで戻って、職場に戻ろう・・・
あらためて2階のボタンを押した。
エレベーターが動き出す。が・・・
14階で止まり、ドアが開く・・・
開いたドアから吹き抜けを見通す窓が見えた。
見えた瞬間、、、、何かが窓の外を上から下へ落ちていった。
ドアが閉まる。エレベーターが動く。
13階で止まる・・・ ドアが開く・・・
また見えた。何かが落ちていった。
12階・・・
ハッキリ見えた。暗いのに・・ハッキリと・・女性が落ちていったのが。
続く
532 本当にあった怖い名無し sage 2008/11/01(土) 06:47:50 ID:1hC6lpeG0
もうパニックになった。
途中の階のボタンなんか押していない。
でも毎階で停止してドアが開く。
ドアが開くたびに落ちていくのが見える・・・
あとはもう、目をつぶっていた。
もう何も見ないで2階まで降りて、すぐに職場の部屋へ逃げ込もう。
そう思って耐えていた。
しかし、気づいた。
5階のボタンも押してある!
5階で止まる・・・
5階は吹き抜けの底・・・
なにが見えるんだ・・・
見えるだけで済むのか・・・?
そして5階に着いた。
ドアが開く・・・
目をつぶっていることの方が恐ろしかった。
だから目は開けていた。
見えた。 見えましたよ。
それまでとは全く違うものが・・・
続く
533 本当にあった怖い名無し sage 2008/11/01(土) 06:56:53 ID:1hC6lpeG0
5階の窓。
深夜だから当然閉まっているはずの吹き抜けに面した窓。
その窓が大きく開いていた。
どういうわけか、窓の外の風景が5階には見えなかった。
もっと上の、、そう15階くらいの高さに感じた。
その窓枠に、こちらを向いて腰をかけている女性がいた。
普通に、、、生きている感じの女性。
でも、ありえない。
俺は硬直して見ていた。
ドアが閉まる・・・
その時、突然その女性の前に若いサラリーマン風の男がいるのに気づいた。