洒落怖
失せもの探し

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589 本当にあった怖い名無し 2009/09/10(木) 00:41:24 ID:eaVRGZ/P0
彼女も僕の師匠も沈黙を守った。しかし、突如地元で若者が続々と自殺し始めた。
一ヶ月で四人、その後も一人、二人と死んでいき、最終的には12人が自殺したそうだ。
ところが、師匠の師匠はその連鎖自殺に不信を抱いた。六人目が自殺した時、
これは復讐に違いない、と二人は確信した。
そう、彼ら全員がその権力者の愛娘と何らかの関わりがあったという噂があったのだ。
失せモノ探しの彼女は心を痛めた。そして、自ら調査を開始し、一人の若者に話を聞くことができた。

その男の子は権力者の愛娘が三人の男たちにレイプされるのを見ていたという。
ただ見ていただけなんです。信じてください、と話しながら何度も言ったそうだ。
しかし、すでに魔の手は彼にも迫っていた。彼に会った前日、ただ見ていただけの女の子が自殺していた。
首謀者は四人。
むかつくからあいつやっちゃってよとレイプを依頼した女とその彼氏三人だった。
しかし全員彼女が権力者の娘であることを知らなかった。
世間的には隠しているのが当然の危険な権力者だったからだ。
四人は面白い見せ物があるから来い、と友人や後輩たちを集めた。
それが自殺したとされる12人だった。

権力者の愛娘はショック死だったらしい。三人目が行為を終えた直後に痙攣し、苦悶したまま息を引き取ったそうだ。
彼の推測では、何か危険なドラッグでも飲まされていたのかもしれなという。
全員を共犯者にするため、首謀者四人は死体の遺棄現場まで全員を拘束したそうだ。
そして、一人一人にその死体を運ばせたという。
僕も殺されます。もうダメです。全国的に組織があって絶対に逃げられないって。

590 本当にあった怖い名無し 2009/09/10(木) 00:42:34 ID:eaVRGZ/P0
一週間後、彼も死体で見つかった。もちろん、自殺と断定されていた。
多くの死を色々な手段を使って調べてみた。しかし、その全てが自殺と断定する根拠すらなく、
状況も異様なものばかりだった。
師匠の師匠はその権力者に単身会いに行った。
そして、止めるように頼んだという。当然ながらその願いは聞き入れられなかった。
彼はこう言ったそうだ。
「きみもここから離れた方がいい。そして二度とこの地域に戻ってくるな。
もしきみがとどまれば何が起こるか分からない。私はそれくらい怒っている。」
彼女は自らの保身を優先した。当然だ。誰だって逃げる。
逃げない人の方がおかしい。しかし師匠だけは違った。大学を終える覚悟があったのだろう。

そして師匠に危険が及ぶことはなかった。
次々と自殺者は増え、それはある日を境にぱたっと止んだ。
首謀者の一人とされた女が、長期失踪後に自殺で発見された。それは愛娘の命日だったという。
復讐は完結した。一説によれば、その女の手足には手錠の跡が残っていたという。
そして、ある場所は見るも無惨な形になっていたそうだ。まるで巨大な何かを詰め込まれたように。
外傷がたくさんあったにも関わらず、自殺で処理された。遺族たちも無言を貫いた。
彼らはタブーを犯してしまったのだ。
またある噂によれば、遺族の家には自殺したとされる息子の局部が送りつけられていたという。

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