洒落怖
掛け軸

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ここで寝てるはずなのになぜ?と部屋の方へ視線を向けると同時に耳の奥がキーンとし、ぐぐぐ…と重圧をかけられるように体が動かなくなった。
視線の先には掛け軸の方から腹を出して寝てるAに近づく「もや」みたいな空気の塊の何か。なぜか女というのだけは雰囲気で分かった。
声を出してAを起こそうとするが「…ぁ…っぁ…」という感じで声がだせない。
そいつはAの体の上に立つと軽く頭を屈めAを覗き込む。
急に苦しそうな表情になり身をよじり出すA。
体が動かず「びっくりするくらいユートピア!」が出来ない俺。

450 8/9 sage New! 2011/09/02(金) 01:04:05.31 ID:k80GphTNI
みるみる顔が青ざめ汗が噴き出しているA。そのときだった。

ぶ!!

Bの盛大な寝屁。
と同時に金縛りは解け、Aの上に乗っていた何かもいなくなっていた。
目を覚ましたAは不意にトイレへと駆け込んだ。
トイレから出てきたAは清々しい顔をしていた。夢の中で小便を無理矢理がまんさせられていたらしい。
清々しい顔のAを見ているとさっきまでの事は何も言えなかった。

朝、夜中の出来事が嘘のように爽快な目覚め。
朝食を食べ終え、用意を早々と終えた俺はふと掛け軸を見つめた。そして何かに誘導されるように掛け軸をめくる。
よく見ると…壁には何かを貼っていたように色の褪せ方が違うところがあった。ちょうど七夕で使う短冊くらいの大きさの。

451 9/9 sage New! 2011/09/02(金) 01:04:49.58 ID:k80GphTNI
やっぱり…と思いつつ掛け軸を戻そうとした俺はそれを見て全身が粟立った…
掛け軸本体の裏側に色褪せたお札がびっしりと貼られていた…。その中の一枚が半分ほど破けている。
そんな俺を見ていたAが「すげーよなそれw」と話出した。昨日俺が部屋から出たあと目が覚めて窓際に腰をかけてたら掛け軸が気になってめくってみた時にお札に気づいたらしい。
そのときふざけ半分でお札を一枚剥いでみようとしたら上手く剥げなかったとのこと…こいつはバチがあたっても仕方ないと思った。
まさかと思って聞いてみると、昨日川縁にも来ていないという…

次の日の旅行も年甲斐もなくはしゃいだ。

そして片付け忘れてた旅行に持っていってたカバンからさっき出て来たんだ…

…半分だけのお札が…。

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