洒落怖
老婆

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マンガとかアニメなら
「ファーストキスをこんなお婆さんに捧げることになるなんて。とほほ。」
とか言ってキスしちゃうんだろうけど。いやアニメ見ないからしらんけど。
というか俺ファーストキスすでに経験してたけど。

914 老婆 sage 2011/06/05(日) 23:59:15.81 ID:da2rBiWM0
現実はそうはいかない。まぁ当たり前だけどさ。
ていうかキスしたが最期、王子様からダーリンに昇格する可能盛大だし。
朝五時。「ダーリン、おはようだっちゃ。」
夜八時。「ダーリン、おかえりだっちゃ。」
もうどうにもなんねぇ。もうどうにもなんねぇよ。

こうやってふざけて書いてるけど当時は本当に参ってて
その時感情が爆発した。

いいかげんにしろよクソババァ。
てめぇのせいでこっちは頭がおかしくなりそうなんだよ。
勝手に死ねよ。っていうか死んでくれよ。もう俺の前に現れないでくれ。
こんな感じのことを言ったと思う。

「そう。死ねって言うの。わかった。」
そう言って老婆は妙な歩き方で帰っていった。

917 老婆 sage 2011/06/06(月) 00:00:32.84 ID:da2rBiWM0
翌朝。四時半起床。高校球児の朝は早い。
適当に御飯食べて、歯磨いて、顔洗って出発。
老婆の姿はそこにはない。

帰りの時間にもいない。その翌日も老婆はいない。
あの日以来、老婆は来なくなった。

普通なら喜ぶべきことなんだけど俺は異様に不安だった。
もしかして老婆は本当に死んでしまったんではないか?
こんな事考えるほうがおかしいんだけど当時はそう思ってた。

あれだけしつこく来てたのに急に来なくなるのはおかしい。
かなりひどいことを言ってしまったし、もしかしたら・・・
毎日そんな事を考えていた。

919 老婆 sage 2011/06/06(月) 00:01:46.40 ID:da2rBiWM0
老婆が来なくなってから一週間ほど経ったある朝。
インターフォンの音が聞こえた。朝五時前である。
嫌な予感がして窓から玄関を見るがだれもいない。

またすぐインターフォンがなる。窓から玄関を見る・・・
老婆だ。あの老婆がいる。生きてたか。
玄関を開けてみると・・・誰もいない。逃げたか?

帰宅時。老婆はいない。母に今朝のことを話すと
母はインターフォンの音が聞こえなかったらしい。
まぁ寝てたんだからあたりまえだろう。
一応、翌朝は一緒に起きてくれることになった。

翌朝。朝御飯を食べているとインターフォンがなった。
急いで玄関を開けたがだれもいない。
母がびっくりしてどうしたのと聞いてくる。
母にはインターフォンの音が聞こえなかったらしい。

920 老婆 sage 2011/06/06(月) 00:03:08.04 ID:da2rBiWM0
いやいや絶対鳴った。でも母は鳴ってないという。??
どういう事だろう。まさか老婆の幽霊が・・・
その日はずっとそのことが頭から離れなかった。

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