洒落怖
老婆

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帰ってきてからもなんだか嫌な感じがして夜寝付けずにいると
声が聞こえる。老婆の声。あのセリフ。
はじめは小さかったがだんだんはっきりと聞こえてきた。

どうしよう。体は動くけど動いたら何かが起こりそうで動けない。
とにかくじっとして朝を待った。声はいつの間にか聞こえなくなっていた。
母に話そうか?いや頭がおかしくなったと思われるな。

その日の夜、またあの声が聞こえた。起き上がり電気をつけようとすると
部屋の隅になにかいる。ピョコピョコと妙な足取りで近づいてくる。
まじかよ。布団をかぶり大声で叫んだ。

924 老婆 sage 2011/06/06(月) 00:05:08.48 ID:O0dnVqUE0
父と母が飛んできて、何があったのか聞いてくる。
ありのまま話すがやはり信じてくれない。
一人ではとても寝れないので父の部屋で一緒に寝ることにした。

父と一緒でも寝付くことができずにいると、またあの声が聞こえてきた。
もう勘弁してくれ。布団をかぶり、ごめんなさい、ごめんなさい・・・・
横で寝ている父がこれはもう尋常ではないと悟ったらしい。

翌日、学校を休み病院へ行くように父に言われた。精神科へ。
精神科って・・・俺を病気扱いですか。幽霊を見たら病気ですか。
かなり反抗したけどとにかく行くように言われ、母と一緒に
近くの総合病院の精神科へ行った。

行ったところでどうなるものでもない。
先生に今までのことをすべて話すと、PTSDと診断された。

925 老婆 sage 2011/06/06(月) 00:07:12.38 ID:O0dnVqUE0
老婆に対するストレスと老婆に対して言ってしまった言葉、
それにより老婆が死んでしまったと自分を責める気持ち。
それらによって幻覚を見聞きしていると言われた。

幻覚。そんなわけない。あんなにはっきり聞こえた。見えた。
あれが幻覚のわけがない。だから行ったところで無駄だといったんだ。
なんだか訳のわからない薬を貰って帰ってきた。

薬は一応飲んだがやはり老婆の声は聞こえる。
姿は見せないが声はよく聞こえる。学校は暫く休むことになった。
昼は母と一緒にテレビを見て、風呂は父と入り、トイレは開けてして、
寝るときは父と一緒に寝る。情けない高校球児だがどうしようもない。
一人になると絶対に聞こえる。

926 老婆 sage 2011/06/06(月) 00:08:37.83 ID:O0dnVqUE0
そんな日が10日ほど続いたある日、父があの老婆は
生きていると言ってきた。そんなわけがない。あの老婆は死んでいる。
そう言えば俺の幻覚が治るとでも思っているのだろう。

本当に生きている。会ってみるか?と父が言ってきた。
いやだ。絶対に会いたくない。というか生きてるわけがない。
車の中で見るだけならどうだ?というのでそれなら別に構わない。
翌朝、車で老婆の住んでる場所へ向かった。

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