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797 長いよ sage 2011/06/18(土) 10:27:35.43 ID:i1Y3cu+w0
俺はと言うとまだ2階には配る部屋がある。
202、205と配り6号室側の階段を3階へ昇り始める。
このまま走って昇ると奴に会うんじゃないか?
すっかり奴に恐怖心を抱いてしまった俺だ。
出来るだけ距離を置こうと奴の歩くペースを想像して
奴が3階くらいに着いたと思ったところで
忍び足のごとく、一歩一歩ゆっくり緊張しながら昇っていく。
途中踊り場から曲がる時に、こっち向いて立ってるかもなんて思うと
怖くて怖くて、ひざから下の力が抜けていく!
そ~~~~っと顔だけ出し階段を見上げると・・・
誰もいなかった・・・
ホッと安心して階段を歩いて上る。
798 長いよ sage 2011/06/18(土) 10:29:01.67 ID:i1Y3cu+w0
3階に着き305に入れてる最中に
「もし6号室側から上って奴に会ったらいやだな
今日は先に302を配って1号室側から上ろう」
305に新聞を入れ、302に向かおうとした次の瞬間!
なぜか奴が1号室側の階段から上って来た。
「は?」「なぜ?」
それにさっきより少しだけだが姿もはっきり見える。
長めのレインコートのようなものを着ていてフードを被っている。
だが何かおかしい?
フードが縦に潰れているぞ。
つまり頭がないのだー!ぎゃー
やっぱり得体の知れないものじゃねーか
しかもこっちへ歩いてきた。
心臓が鼻から飛び出しそうな思いだ!
302に入れるのをやめ、早歩きで6号室側の階段へ引き返し4階へ駆け上がりました。
799 長いよ sage 2011/06/18(土) 10:31:31.58 ID:i1Y3cu+w0
ひえーなんなんだあいつは!?早いとこ配っちまおう。
406から入れていく。
そこへ奴が1号室側の階段から上がって来たのが視界に入ってきた!
ひえー
新聞を入れている姿勢のまま奴の様子を見る。
相変わらずゆっくりと奇妙な動きでこっちに歩いて来ているではないか!
怖い怖い!逃げればいいものを
配ってしまわなきゃならないという義務感のほうが先に働いた。
奴がこっちへ来る前に405、404と入れちまっわないと。
急いで… 405の… 郵便受けに… 入れる!
焦るし、手はガクガクだし、うまく新聞を折れない。
ようやく入った!
見ると、奴は401のドアの前辺りまで来てる。
それでもまだ怖い
素早く404の前に行き郵便受けに新聞を入れようとするが
郵便受けの中に何か郵便物が詰まっている!
たまにこういうことがあるんだな。
こういう場合は、一度郵便物を取り出して新聞と束にして入れるか
郵便物を避けて新聞を入れ込むかしないといけない。
新聞を中途半端に出した状態で入れると
以前に、確かに入れたはずなのに配られてないということがあった。
新聞屋の人に
「よその新聞屋が評判を落とすために抜いていくというから
ちゃんと入れ込め!バッキャロー」と大目玉を食らったことがあった。
その時は「チックショー!」って抜いた奴を怨んだね。
それ以来俺はよその配達員を敵視するようになった。
たまに出くわして挨拶されても無視してたし、
睨み付けて呪ってやったりもしたぞ。
だから奴の恐怖もあるが
新聞をちゃんと入れ込まないといけないという義務感もあった。