この怖い話は約 3 分で読めます。
昔、自転車で旅してた時の話。これは親しい人には結構話したので、ここ見てる人が
いると特定されるなw
まあ、それはさておき。
稚内の南西に旅人には有名な「サロベツ原野」というまさに何もない原野
があるんだけど、一番北に「抜海」という町がある。で、その日はその少し
手前でテントを張ることにしたのね。
どこであろうと勝手にテントを張るのはホントはいけないけど、
その日数十km走った素晴らしいサロベツ原野の余韻に浸りたかったので、人の来ない
場所がいいと思い、原野にこっそりテントを張った。で、暗くなると何も見えないし、
明るいうちにレトルトとかで適当に飯を済ませて、旅の記録をつけたらさっさと寝た。
かなり早くに寝たので、夜中に目が覚めた。寝る前には吹いていなかった強い
風の音を聞きながらぼけーっとしていると、テントの外から何か風とは別の
音がする。何かひきずっているような音。
(うわ、熊か?!)と思って恐る恐るテントのファスナーを少しあけて外を
覗いてみた。
外は雲が速く流れているが、少し月が出ているので真っ暗ではなかった。目を
こらして見ると、30mくらい?先で小柄な女性くらいの大きさの何か4~5体が
動いてる。一列になってゆっくりゆっくりこちらに向かってきているようだった。
外見については暗いのでよくわからなかったが、極端に猫背の人に大きなボロ布を
何枚も重ねたような感じ。この布?の裾が草と擦れて音が出ているようだった。
強い風が吹いているのに、布?があまりばたついていないのが不思議だった。
49 2/3 sage New! 2011/05/04(水) 22:18:28.55 ID:+3Vsq1E70
見た瞬間「これはやばい!」と思ったが、目が離せない。もう心臓バクバクで
死にそうだった。枕元にあったナイフを握って、必死にナンマンダブナンマンダブと
心の中で唱えまくってたw
彼らは実のところどうもテントを目指しているわけではなく、テントの斜め後方に向けて
移動しているみたいだったんだけど、途中で真ん中らへんにいた奴がちょっと止まった。
で、こっちを見た(ような気がした)。すると、行列がこっちに方向転換した。
この時点で距離は15mくらいになってた。
急いでのぞいてたファスナーを閉じた。そしてテントの中で滝汗かきながら中腰になり、
覚悟を決めて奴らが来るのを待ち受けた。冷静に考えると外に出た方が安全なのは
明白なんだけど、テントという外と中を分ける「区切り」を放棄することを無意識に
否定したんだと思う。
音がどんどん近付いてきた。緊張MAX。すると、テントの入り口から5mくらい(多分)の
ところで音が止まった。そして、テントの周りを回りはじめた。この時に連中が
何か喋ってる(歌ってる?)ことに気がついたが、意味は分らなかった。少なくとも
日本語ではなかった。