この怖い話は約 3 分で読めます。
今思い出してもゾッとするほどその存在は怖かった。
俺が普段みる霊のようなものは、なんとなくあいまいな存在で、
明らかな実体をともなったものではない。
だから霊を見たとしても、「この霊に殺されるかも……」というような
恐怖を感じることはあまりない。
351 341 sage 2011/01/31(月) 19:02:21 ID:u2/av3K90
しかしあのとき見えたものは、なんというか、ただの幻覚ではなく、
その体重や鼻息、体温まではっきりと五感で感じることができて、
踏ん張ってる手足の血管の一本一本まではっきりと見えるような
圧倒的な存在感を持って俺に迫ってきたんだ。
俺は生まれて初めて、「こいつに殺されるかもしれない!」
という強い恐怖を感じた。
体は動かず、とにかくもう目をつぶって、
「ごめんなさいごめんなさい」とずっと唱えていた。
ずっと前に亡くなった祖母を思い、「ばあちゃん助けて……」
とも唱えた。
とても怖かったけどどうも様子がおかしい。
どうも奴のターゲットは、俺じゃないようだ。
奴は俺の足元に立って、俺の頭の方を見ていたが、俺の頭を越えて、
ふすまの方をずっと見ていたみたいなんだ。
(ふすまの向こうには義姉が寝ている)
「あれっ?俺はひょっとして関係ないのかな?助かるのかな?」
と思った瞬間、すーっと体が楽になった。
あわててとび起きて妻をたたき起し、
隣で寝ている義姉と甥っ子もたたき起してもらった。
353 341 sage 2011/01/31(月) 19:03:36 ID:u2/av3K90
二人とも特に異常なくほっとする。
甥っ子はにぶい奴なので、起こした5秒後には、また爆睡していたが、
義姉が「夢見てた。○○ちゃん(義姉の娘の名前)が泣いてた」と……。
ここで初めて俺は、「あれは○○ちゃんの生き霊だったのかな」と思った。
義姉に遠慮してそんなことは自分から言い出せなかったが、
妻の方が先にピンときたようで、深夜にも関わらず、
姪っ子を預けている実家に慌てて電話した。
「なにも異常ないわよ。すやすや寝ているわよ。」との、
義母からの迷惑そうなありがたいお言葉。
そして一同ほっと胸をなでおろしたというお話。
354 341 sage 2011/01/31(月) 19:04:31 ID:u2/av3K90
俺は霊とか馬鹿馬鹿しいから絶対信じないようにしていて、
怖いと思ったこともあまりないんだけど、
あのとき見てしまった「存在」については、
今思い出してもゾッとします。
生き霊とかそういう話も信じたくないけど、
妻と義姉はわりとそういうのを信じるタイプ。
義姉はその後、慌てて姪っ子を実家に迎えに行ったが、
特になんの異常もなかったです。
その姪っ子も今ではすっかり大きくなって、
母親がいないからとさびしがるような年齢ではなくなりました。
姪っ子にはこの話は誰もしていません。
