洒落怖
ターザンごっこ

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確かにその後、ぬいぐるみのおなかが急に縦に裂けたとかで、
あんたが大泣きして、おばあちゃんにつくろってもらったことはあったけど。
母はいぶかしむようにして私を見ました。

そんなばかな。

確実にあの時私は落ちて、目の前が真っ暗になって、気を失ったはずなのに。
全然ケロリとしてた記憶なんてないのに。
あんなに鮮明に覚えているのに。確かに落ちてから病院にいった記憶なんてないけれど。
でも、じゃああれは全部夢だったとでもいうのでしょうか。
それともただ単に夢と記憶がごっちゃになっただけなのでしょうか。
そんな疑問を感じたまま私は大人になり、その記憶もきっと気のせいだと大人らしいダメな理由をつけて
納得し始めたころに、私はあの若くて綺麗な女の人が着ていた、金と銀の刺繍の入った白い着物と出会いました。

909 本当にあった怖い名無し New! 2012/01/23(月) 22:07:22.75 ID:SHL8GCgj0
成人式用にと私の前に現れたそれは、やはり白無垢をお直しした、振袖でした。
その着物はどうやら母方の(つまりおばあちゃんの)家で代々引き継がれてきたものらしいのですが。
あの着物のお姉さんはだれだったのか、あの男の子はなんだったのか、私の記憶と母の記憶の誤差は一体なんなのか。
結局今でもわからずじまいですが、そこはかとなく感じる縁は、別に悪いものじゃないなんておもうわけです。

というなんとも奇妙で曖昧な記憶のお話。

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