心霊スポット・肝試しでの怖い体験
絵馬

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捲れた板をボンドでひっつけている途中、目の前で揺れる古びた絵馬が怖くて、マジで帰りたかった。
絵馬に箱をそっと被せて、釘を打ち直した。
「こりゃ、どうにかせんとのぅ・・・」
オッサンが後で呟いた。

その日は、なんだか大変なことをしたと思ったが、なんか実感がなかった。
帰りの車の中でも、
「いや~○○ちゃんはやる思うたよ。さすがじゃーや。うぉ、怖ぇ~~、ポーン!じゃもんの~、オレできんわ。」
「いや、マジでびびってもうたよ。でも正直オッサンのが怖かったけど。」
「ホンマよ、なんやあれ、ヤクザか思うたーや。」
緊張感などまるでなく、解放された安堵で逆にハイテンションだった。
「☆ちゃん(オレの彼女)も大丈夫よ、あんなぁ脅かすために言うたんじゃーや。」
オレも、
『まぁないだろう・・・』
と思っていた。

帰りに行きに寄ったコンビニに寄って、店員に絵馬を外したと報告して帰った。
店員はどうなったか聞いてきたが、何もなかったと言うと、なぁ~んだと言った感じで笑っていた。

次の日、一応心配だったオレは彼女に電話をして体調を確認した。
そんなことを聞いてくるオレを彼女は不思議に思って、何かあったのかと聞いてきたが、元気そうだったので次の日の休日に会う約束をして電話を切った。

その晩、彼女から電話があった。
「○○ちゃん?ごめん明日会えんかも」
「え?どした?」
ドキッとした。
「なんか風邪ひいたみたい。熱あるし、寒気もする・・・治ったらいいんじゃけど、なんかひどくなりそうで・・・もしダメじゃったらごめんね。」
オレは急に怖くなった。
「そう・・・あったかくして、今日はもう寝ーや。」
電話を切ってオレはすぐにオッサンにもらったメモがちゃんとあるか確認した。
電話番号を携帯のメモリーに入れて、メモも財布に入れておいた。
もし明日彼女の体調がやばかったら電話をしよう・・・

次の日、昼前に起きて彼女に電話を入れてみた。
何回かかけたが、出ない。
しばらく待ってまたかけた。
さらに待ってまたかけた。
全く電話にでない彼女が心配になって、バイクで彼女の家に行った。
彼女は実家暮らしで実家の番号は知らなかった。

彼女の家に着いて、チャイムを押そうとしたその時、玄関がガチャリと開いて、彼女を背負ったお父さんが出てきた。
「☆っ!、、、!」
お父さんはオレを見て、
「☆の友達?今はちょっと体調が悪いんじゃ。病院につれて行くけー。」
背負われている彼女は意識があるのか、ないのかもよくわからなくて、口をぱくぱくさせてやっと呼吸をしているといった感じだった。
『これは電話をしないと・・・』
すぐに携帯を取り出して、神社の番号に電話をかけた。
玄関から半ベソのお母さんが出てきて、お父さんに駆け寄り、
「あなた・・・救急車呼ぼう!」
「車の方が早い!」
なんて言い争いをしていた。
それを聞いてオレはパニックになりかけてた。
「T神社です。」
「あの、○○と申します、神主さんを・・・Jさん(オッサン)を・・・!」
「は、はぁ、少々お待ちを」
保留音が2~3秒流れすぐにオッサンが出た、
「もしもし、大丈夫か?」
「彼女が・・・☆が・・・!!」
「落ち着け!すぐに来れるか!」
「はい、すぐに・・・すぐに行くから・・・助けて下さい!」
「すぐに来い!車か?気をつけぇ。それと、これは携帯電話か?」
「そうです・・・」
「じゃあ切るな!このまま彼女の耳に押し当ててわしの声が聞こえるようにせぇ!」
「わ、わかりました。」

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