心霊スポット・肝試しでの怖い体験
絵馬

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携帯を自分の耳からはなしたオレに両親はすぐ詰め寄ってきた。
「お、おい、今の話はなんや!どういうことや!」
「車で話します!だから・・・車貸して下さい!スグに!」
気付くとオレはベソかいて涙と鼻水で顔がぐちゃぐちゃだった。
「病院に行くんじゃないんか?訳を話せ!」
「神社に行くんです!オレが幽霊にちょっかい出したんです!そのせいで彼女がこうなってるんです!お祓いしてもらうんじゃ!スグ行かんと!!」
オレはまくしたてた。
オレのすごい剣幕に、両親も押され気味で困惑していた。
さすがにいきなり幽霊とか言われりゃ困惑するだろうが・・・
「何言ってるの・・・病院行かなきゃ・・・!!あなた!!」
迷うお父さんの背中から、☆がふと目を開けてオレを見て言った。
「Yさん・・・」
絵馬にあった名前・・・
大好きなYさん・・・
オレは血の気がひいた。
両親を殴り倒して車を奪ってでも神社に行かなきゃ。
「行こう。」
急にお父さんが娘を車に乗せた。
「君が運転してくれ。」
オレはすぐに車に乗り込んだ。
お母さんは、
「あなた!本気!?どういうこと!?」
と錯乱気味だ。
お母さんも乗り込んできて運転席のオレにつかみかかるが、オレは構うもんかと車を発車させた。
そしてもめている両親の怒号を打ち消すような大声で叫んだ。
「この携帯電話を☆の耳に当ててくれ!!」
キーキー騒ぎ立てる母親を静止して、お父さんは携帯電話を彼女の耳にあてた。
すると彼女は苦しみ出した様子で、お母さんはもう狂ったように、
「やめてー!やめてー!」
と叫んでいた。
「これは、なんや!なんでこんなことするんや!」
「神社の神主さんがそうしろって!オレもわかりません・・・!」
車の中はしばらく騒々しかったが、やがてお母さんも落ち着いてきて(というか疲れてきたというか・・・)お父さんは詳細を把握しようとオレに経緯を訪ねた。

オレは神社のこと、女と絵馬のこと、そしてあの夜のことを話した。
両親は信じがたかったろうが、特に反論もせず、それからはしきりに彼女の名前を呼んで励ましていた。

神社に着くと、オレは彼女の耳から携帯をとり自分の耳にあてた、電話からは、オッサンのお経のような、呪文のような、そんな声が聞こえる。
「着きました!」
「~~~・・・!そうか!すぐに前お前が入った建物まで運べ!」
オレとお父さんで急いで彼女を神社の裏手の建物に運んだ。
オッサンはなんか、神々しい格好をしていて、頼もしかった。
「彼女をここに!」
言われた通り、彼女をオッサンの前の布がひかれた場所に寝かせる。
オッサンはお経のような、呪文のような、歌のような。
そんな言葉を発しながら、彼女の身体に手をかざしたりし始めた。
たまに普通の日本語っぽい言葉も聞こえた。
そのうち彼女に変化があった。
「うぅ~~、うぉおお~~。」

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