後味の悪い話
断章のグリム

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青年は少年を押さえつけて自分の血を無理矢理飲ませ、これ以上飲んだら少年も化物化する、
取り返しがつかなくなる前に早く自分を消してくれと脅迫した。
ちょうどそこに他の仲間が帰ってきて青年を止めに入ったため、
青年は一旦は諦め、その場から逃げていってしまった

もっと少年に本気で憎んでもらわないといけないと考えた青年は、
自分の血を仕込んだ料理を少年の両親に食べさせた
少年が帰宅した時には両親は、顔面に大量の魚が生え、密集した魚の口によって蓮コラ状態な姿になり、
自分の口では息もできないだろうにそれでもやはり不死の状態になっていた。

328 : 本当にあった怖い名無し : 2012/05/13(日) 02:05:29.87 ID:sDOl/1IT0
少年が本気で殺す気になってくれるまで、少年の周囲の人々をひどい目に遭わせ続けるしかない、と練り歩く青年。

様々な武闘系能力者が彼を止めようと立ちはだかるが、
それらの能力は諸刃の剣で能力者自身をも傷つけてしまうもので、
不死の青年相手に長期戦を挑んだ結果は、ことごとく能力者が満身創痍するだけで、
青年を殺しきる事も止めることも出来なかった。

これ以上の被害は出せなかった。
また、青年の狙い通りに少年は憎しみを抱くようになっていた。
青年の計画に乗ってしまわなければならないことへの憤りと、
そうまでして死にたがる彼に哀れみを抱きつつも、少年は望みどおりに彼を消してあげた。

青年が消えた瞬間に、魚化していた人たちは腐った小魚の群れに変化し、死にきった。
人によっては肉片なども残ったが、どちみちまともに弔うことも出来ない遺体で、事件として処理することも出来ず、
「人物の存在を認識できなくさせる」能力者の手によって、被害者たちは存在を消された
能力者同士は、精神に作用する能力に対しやや耐性があるため、少年は両親の存在自体を忘れることはなかったが、
思い出は曖昧になり、なにも見なければ父母の名前も顔も思い出せない状態になった。
周囲の普通の人々は、能力の延長なのか両親の欠落には全く意識を向けず、少年はごく普通の日々に帰った。
しかし、子供の一人暮らしは大変なものであったし、いずれ金が尽きたら学校を辞めることも覚悟し、
少年は襲い来る新たな戦いに備え生きていくのだった。

青年もかわいそうな境遇ではあるが、自分が死ぬためだけに好き勝手やらかしまくったんだから、
お望み通りに殺すんじゃなくて緊縛した状態で金庫にでも閉じ込めて一生苦しめたれと思った
そんな結末になったらなったで、後味悪い思いしそうだが

329 : 本当にあった怖い名無し : 2012/05/13(日) 02:25:07.55 ID:abUpbL1AO
>>328乙
青年を殺さないと化け物化した人達も死ねないからねえ。

330 : 本当にあった怖い名無し : 2012/05/13(日) 02:49:04.31 ID:W2JwgUja0
ギョギョッとする話だな

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