洒落怖
まるで双子のよう

この怖い話は約 3 分で読めます。

うわぁ、うわぁ、うわぁ、逃げたい逃げたい逃げたいよ、そう思うものの、動かない目線。
二人して大硬直、ぽつりMが言う「気付かれた」、ヤバイヤバイヤバイマジヤバイってうわー!
という心の警笛の中、ゆっくり俯いてた顔が上がって、ゆっくりこちらを向いた。
ああやっぱり骸骨顔が、顔だけ、虚ろな黒い目の穴がこっちを見ている、じっと見ている、
目が無いのに物凄く見られてるのだけ判った、そして。
笑った。
こっちにゆっくりやってくる。

ヒッという互いの悲鳴でやっと体が動く様になって、先輩への挨拶もそこそこに、家に逃げ帰った。

家に着いたモノの、二人とも正直寝る気にならなかった。
仕方ないから、下らない話をしながら自分の部屋で朝になるのを待っていたんだが、
何で幽霊は窓を叩くのが好きなんだろうか?
もうすぐ夜も明けるという時間になって、ダンダンダンダンダン!!!という窓を叩く音、
自分の部屋は二階で、その窓はよじ登る所もない場所。
そんな人外アピールは要らないと思いながらも見ると、やっぱり無数の手形。
部屋の中に「うふふふふふふ」という女の笑い声、と、次第に混じる男の笑い声。

二人して何だかもう、オンパレード過ぎて恐いを通り越して一瞬「(;’A`)」「(‘A`;)」という顔になる。

まぁ、それでも、夜が明けるにつれて静かになって、風呂に入って寝ようかって事になった。
Mに先に風呂にいっていいよと言い、漏れは漫画を読もうかと思った、が、
とは言ってもやっぱり一人にされると多少恐くて、自分は先にベッドでタオルケットを装備していた。
そしたら一人になったのを狙っていたのかなんなのか。
男の声、しかも境内で聞いたのとおんなじ声、わぁ!来たのかよ!と思いながらタオルケットを被り、
腕でと足で突っ張らせてタオルケットを突っ張らせて、ガードして、ガクガクブルブルしていると、顔の真上に顔の気配。

「ふぅーふぅー・・・・うぅううぅうぅぅうぅう」

何だよ何がしたいんだよ!ていうかごめんなさい!うわぁ顔の形にタオルケットがあぁぁうわぁぁ!!
とかパニくりながら、声には出さないで、Mを呼んでいた。
『助けて!助けて!M助けて!マジ助けて本気で助けてM!!!これ無理無理ですマジ無理です!』

そう思った瞬間、ドアがバーンと開いて「呼んだか?!」と泡つけたまま部屋に駆け込んできたM。
それに自分もびっくりで「いや、声では呼んでない」とか言うとMは意味が判らんという顔をしていた。

「風呂に入ってたら、耳元でお前の声で助けて!って聞こえて慌てて上がってきた」

「( ゚д゚ )いや声は出してないっていうか、頭で呼んだ、タオルケット被ってたら何かあーあーうーうー・・・
 てかそもそも耳元で聞こえる訳無いじゃんよ、上にいんだもの・・・」

「あ、そうか( ゚д゚ )あれ?」「うん( ゚д゚ )・・・あれ?」

この怖い話にコメントする

まるで双子のよう