洒落怖
家に入れたくない理由

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結果として、その母親とみられるその女性は、いた。
前と同じポーズで。
やっぱり死んだ猫を掲げて。
でも、そんな異様なポーズがどうでもよくなるほど、さらに異様なものがその部屋にはあった。
私に気づきすらしない様子の母親。その手に掲げる猫に誘導されて、私の目は天井へと向かった。

214 本当にあった怖い名無し sage New! 2012/12/27(木) 22:40:12.56 ID:oAt9Z5nmI
天井には、ひとつの大きな顔があった。
目。鼻。口。それだけ。
眉も、髪も無かった。まるで肉のお面が貼り付けてあるかのように、ピッタリと。
頭がクラクラした。急な自体に脳が追いつけず、私は叫びも逃げもせず、それをじっくりと見てしまった。
作りもの?なに?
眉も髪もない顔は、男か女かすらわからない。
感情の無い目は、真っ直ぐと下を見つめていた。

それから目が離せないでいると、彼女の母親が私にトコトコと歩みよって来て、
「はい」
と普通の声で、猫の死骸を、私に差し出した。
それで私は限界だった。

声も出さず私は駆け出して、ドアを開けて玄関から外に出た。
外にいた彼女は私の顔を見て、全てを悟ったようだった。
「Aちゃん、ちがうの!アレは作り物でね、私のお母さん、おかしいの、お母さんがおかしいだけなの!」
彼女の声を背に、私は逃げた。
風邪で弱っている彼女を置いて。でもそんなことにもう構っていられなかった。
あれは作りものじゃない。
ふすまの部屋から逃げる直前、私はあの天井の顔が瞬きをするのを、見てしまったから。

216 本当にあった怖い名無し sage New! 2012/12/27(木) 23:25:57.41 ID:oAt9Z5nmI
そして次の日から、彼女は学校に来なくなった。
彼女に対する罪悪感もあったけど、当時はただただ恐ろしくて、私は忘れるように努めた。
それ以来、私は彼女を見ていない。

オチも無いですが、終わりです。
あの事件以来彼女との交友はぷっつりと途絶え、ほとんど何も分からぬままです。
あのふすまの部屋はなんなのか?
母親は猫の死骸を使って何をしていたのか?
ただ一つ風の噂で、彼女の父親は本当に死んでいたと言うことを聞きました。今はどうか分かりませんが、当時は親切な叔父さんが近所に住んでいて、彼女ら一家を気にかけてくれていたそうです。
彼女は今どうしているのか、今ではただ、それだけが気になります。

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