洒落怖
終電

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三年前の話。当時21歳の俺は、高卒で就職して3年目に突入していた。

その会社がいわゆるブラック企業で、技術系に配属された俺は
月1~2休暇の毎日が8時出勤、殆ど毎日終電帰りという状態でかなり疲れていたので
今思うと、幻覚、幻聴の類だったのかもしれないと思う。

その日も、現場での仕事を終えて会社で資料を整理。
結局資料はまとめきれず、しかし家には帰りたかったので終電で帰宅しようとした。
するとその日は遅延が発生していたらしく終電ではなかった。

人のまばらな電車で毎日同じ時間、同じ車両に乗り続けていると
有る程度見知った顔ぶれというものができる。目が合っても会釈もしない関係だが
「この人も毎日遅くまで大変だな」くらいにはお互い思っている事だろう。
その日も座っている客が少なく、いつも座っている場所が空いていたので
腰を下ろした。気付いたら眠っていたようだ。

体が揺さぶられている気がして目を覚ました。
まだそんなに時間が経っているとは思えなかったが
いつも俺が降りる前の駅で降りている若いサラリーマンの男性が車両に乗っていなかった為
やってしまった。と思った。他にも見知った顔はいなくなっていたので
かなり遠くまで来てしまったかもしれない。

すると、また作業着を引っ張られた。
振り向くとそこには小学生くらいの女の子が座っていた。
電車は走り続けていて相変わらず人のまばらな電車の車内ではポツリポツリと
座って眠っている人がいた。

18 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2014/06/05(木) 22:14:11.05 ID:NocHtvZH0
「おじさん、どこの人?」
女の子が話しかけてきた。
こんな時間にこんな小さい子がいるなんて。と思いつつ
「○○だよ。」過ぎたであろう駅名を言った。

次は何駅なんだろう。
電光掲示板は無いし、電車が止まりそうな気配も無い。

とにかく次で降りよう。

「ねぇ。おじさんは何でここにいるの?」
続いて女の子はこう尋ねてきた。
変な女の子だなぁと思いつつ
「乗り過ごしちゃったみたいだね。」と言った
「ふーん。」
それきり女の子は黙った。

それから10分くらい経過したが、一向に電車が止まる様子は無かった。
イライラしながらも窓の外を眺めていると、段々と白い霧に覆われていった。
俺は隣にいる小学生に聞いた。
「ねぇ、この電車はいつ止まるの?」
「わかんない」

「君はどこで降りるの?」
「わかんない」

元々イライラしていたのが、この会話で恐怖に変わった。付いていない。声をあげても誰もこちらに興味を示さなかった。

19 :本当にあった怖い名無し@転載は禁止:2014/06/05(木) 22:15:42.40 ID:NocHtvZH0
これ、ヤバイ。何か変なことに巻き込まれてる。と

俺が席を立ち上がろうとすると女の子は俺を掴んできた。
尋常じゃないほどの力で
「どこに行くの?どこにも行けないよ?」と言ってきた

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