田舎・地方の習慣
イエンガミ

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787 7 sage 2013/11/30(土) 00:27:47.66 ID:x3LZufvH0
それから5分くらいして暗子の家に到着した。もう空は暗かった。
暗子の家はほとんどなにもない所にあった。
広い庭を挟んで右側に立派な木造の平屋。左側にアルミ板のようなもので作った簡易的な倉庫。その奥に何か高い建物があった。
右側の平屋の前には立派な門があり、そちら側に向かって歩く。
すると左側の倉庫の前に人影のようなものが見えた。
よくよく見てみるとその人は倉庫の前で丸く大きな石の上に座って、ずっと前の平屋を見つめていた。

門の部分に呼び鈴が見つけられなかったので、その人に話しかけに行こうと庭に入った。
かなり広い庭で、撒き石がしてあったので、歩くと音がするのだが、その人は一度もこちらを見ることなく、ずっと平屋を見つめていた。
少し近づいたところで「すみません」と声をかけたが反応なし。
ふと、その人が見つめている平屋に目をやった。

その時、陽子が怖いから入れないと言っていた意味が分かった。。。

その人の目線の先…平屋の外廊下…そこにずらっと何十人の人間が並んで正座していた。
その人達もまた私に一瞥も触れることなく、ずっと倉庫の前の人と見詰め合っていた。
皆一様に口角を上げ、笑いながら。

異様な光景に全身に一気に鳥肌が立った。
気づいたら無我夢中で帰っていた。
帰りながらあの暗子の葬式のときの異様なお経が小さく聞こえた気がした。
陽子の車は見つけられなかった。

788 8 sage 2013/11/30(土) 00:28:26.46 ID:x3LZufvH0
ここから後日談になります。

その後陽子と暗子に何度か電話したが、二人ともつながらなかった。
ただ、暗子からは「巻き込んでごめんね。」「稿シ ,嗤口ォ餌 喰 (改行)口無シ虫ノヤマ 嚆 ナク ^」という2通のメールがきた。(原文まま。多分文字化け?)
それ一通のみでその後連絡が来ることはなかった。
何度か暗子の家に行こうとしたが、どうしても怖くて行くことができなかった。

陽子の家には何度か行ったがいつも不在だった。
全く進展がなく、まさか何か事件に巻き込まれているのではと不安になっていた。

そんな中、先日、精神病で入院していた父が帰ってきた。
そこで陽子の現状を知ることになる。
なんと陽子は父と同じ精神病棟に入院していたのだ。
精神病棟では自傷行為や他人にけがをさせたりすると隔離された病棟に移されるのだが、
父が自傷行為をした際、その隔離病棟で陽子と会ったと言っていた。

私は驚いた。
確かに心の病にかかっていたとは言っても、日常生活に影響がでるほどのものではなかったのになぜ入院?
父に陽子の状態を聞いたが、全く近づけるような状態ではなかった…ということしか教えてもらえなかった。

789 9 sage 2013/11/30(土) 00:32:19.20 ID:BgszJIC/0
そして昨日の夜。暗子の葬儀の夢を見た。
その時いたA村の子。暗子を入れて4人しかいなかったはずのA村の子。
でもそこには4人のA村の子がいた。
よくよく思い出してみると、葬儀に行った際○○高校名簿という本があって、○○高校の同級生はそこに名前を書くことになっていた。
私が5番目に書いたので、確実に4人のA村の子がいたのだ。

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イエンガミ