田舎・地方の習慣
イエンガミ

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葬儀に来ているB町の子はやはり私だけだった。
知らない人ばかりに話したことのないA村の同級生4人。正直行ったことを大変後悔した。
それに葬儀もいくつか変だなと思ったことがあった。

785 5 2013/11/30(土) 00:26:25.48 ID:x3LZufvH0
一つ目は喪主の方の名前が暗子の名字とは異なっていたこと。
もしかすると何か理由があるのかもしれないが、喪主は暗子の親ではなかったのでは…と思った。
二つ目はなぜか棺・ご遺体共になかったこと。
普通は遺影と棺とその中にご遺体、そしてご遺体に向かってお焼香という形だと思うが、棺はなく、皆遺影に向かって歌いながらお焼香をしていた。
最後、三つ目がお経。
お経は色々な種類があるが、普通お坊さんが唱えるものだと思う。しかし暗子の葬儀では椅子に座っている参加者ほぼ全員が何か暗い歌のようなものを歌っていてた。そして皆一様に口角を無理に上げているよな、笑っているような表情であり大変異様だった。
私はお焼香を済ませて逃げるように会場を後にした。

それから何か月かして、暗子のことも私の中で整理がついた頃陽子から連絡がきた。
電話の内容は「暗子を待っているのだけど、3時間待ってもでてこない」というものだった。
暗子は亡くなっているのに何をいっているのだろうと思い「暗子は亡くなったよ?誰と間違えているの?」と聞くと、
陽子は「それが亡くなったのは嘘で、暗子は生きとったん。暗子が生きていると証明するために実家に連れて行ったけど、家に入ったっきり暗子が出てこんとよ」と状況を説明してくれた。

786 6 sage 2013/11/30(土) 00:27:04.26 ID:x3LZufvH0
陽子の話をかいつまむと、
・先日暗子から連絡が来て会った。
・暗子は実家と全く連絡を取っておらず、久しぶりに地元に帰ってきていた。
・そこで「用事で役場に行った際自分が亡くなっていると役場の人間に言われ、どうしたらいいのか」と相談された。
・悩んだ末、暗子母に暗子を会わせることに。
・親と不仲な暗子を説得して暗子家まで連れてきたが、一言もしゃべらずに暗子は暗子母と家に入っていった。
・そのまま3時間がたった。
・家に入ろうと思ったが、見張っている?おじさんがいる。それに人も沢山いて怖いから入れない。
といったことを説明された。

正直ほとんど意味がわからなかったが、とにかく陽子が困っているのはわかったので、あと1時間ほどしたらそちらに向かうと伝えて、暗子の家の場所を聞いて電話を切った。
バタバタと店を閉めて陽子にこれから行くと連絡したのだが、繋がらない。
仕方がないので、暗子の家に向かったいる時に陽子から電話がきた。
「……おーいぃこれが…ザワザワザワザワ…門閉めろーぃちが……ザワザワ…」
出てみると周りで誰か複数人が遠くから大きな声で話しているような音が聞こえるだけで、陽子の声は聞こえなかった。
何度か呼びかけたが応答がないまま電話は切られてしまった。

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イエンガミ