田舎・地方の習慣
てっぐ様

この怖い話は約 3 分で読めます。

636 本当にあった怖い名無し sage New! 2012/06/21(木) 15:14:23.62 ID:CGPKhIrO0
妹ちゃんは毎日、一日中村の子供達と一緒に田んぼや山や沼や川や洞窟で
遊んでいたという、学校には一度も行った事が無かったらしい。
学校をサボってたの?とおばちゃんが聞いたのだが、妹ちゃんはそもそも
この街に越して来るまで学校という物がこの世に存在していた事さえ
知らなかったと言う、読み書きはヤマババさんに教えて貰ったし、おば
ちゃんに指摘されるまで「ああ、学校というのは都会にしか無く、私が居た
様な田舎には無い物なのだ」と勝手に思い込んでいたらしい。
そして、ここからが更に異様なのだが、村は森の中にあったらしい…
森の麓の集落っていう事では無くて、もう文字通り深い森の木々の中に、
人の住む家々があったというのだ、後年の妹によればN〇Kスペシャルとか
でたまにやってる東南アジアやアマゾンの秘境に住む人達の住んでる家
に激似だと言っていたそうだ。
ヤマババさん家の壁は土壁だか土器みたいな感じで屋根は茅葺だった。
玄関に凄く古そうな真青な鳥居があって、家の中は神社みたいな感じで、
熊か猪の毛皮を敷いてある仏壇か神棚みたいな祭壇の中に犬(みたいなもの)
に乗った鹿の角の生えた真黒な手と顔がいっぱいある仏像が飾られていたとか。
ヤマババ以外の家は木造で屋根は同じく茅葺。
村人は全員和服だった、そして丁髷をしていた人が少し…
村はとにかく子供の数が異様に多くて、ほんの一部の田仕事を手伝ってる
子達(なんか今思うと妹ちゃんはこの子達には意識的に避けられてた
感じがすると言っていた)を除けば皆が一日中遊んで暮らしていた。
妹ちゃんはヤマババさんともよく遊んだが、もっぱら山で遊ぶ事の方が
多かったらしい、とにかく山の中の色々な所で1日中遊んだという、

637 本当にあった怖い名無し sage New! 2012/06/21(木) 15:15:07.43 ID:CGPKhIrO0
森、川、田、沼、池、滝、洞窟

池で釣りをしたり、滝壺に飛び込んだり、やたらデカイ犬(話を聞く限り
狼としか思えない…)の群れをおちょくったりしたり、底無沼でドツキ合い
をしたり、洞窟の中を何時間も探検したり…
とにかく山の中の全てが遊び場だった、そして遊び疲れて村に戻る頃には
何故か出かけた時よりも人数が減っていたという…
妹ちゃんは今にして思えばよく自分は生き残れたものだと、当時の事を
思い出すと今でも背中に悪寒が走るそうですが、楽しい思い出の方が多いの
で自分はあそこで育つ事が出来て幸せだったといつも言うそうです。
でも怖い事も結構あったと言う、森の中で遊んでいる時に明らかに異形と
しか思えない存在が混ざっている事があり(イマジナリーフレンドとか
言うらしい)それらは最初遊んでいる時は何も気にならないのに、思い出
してみるとその違和感に吃驚するそうですが、不思議と嫌な感じはしない
との事。
でも、一番怖かったのは、ある日、石の丘みたいな所を遊び場にして
いると焼き物の埴輪みたいな人形がいっぱい置いてあった、嬉しくなって
ママゴトを始めたのだが、そこに急に普段は田仕事ばかりやってる
超絶放任主義の大人達(ヤマババは数少ない例外だったので子供達から
好かれていた)がやって来て「こん!みかぶしさまんちにはいっちゃ
むらもろさ たたっころされっぞ!こんくそばちったりどもがー」と
血相を変えて大声で怒鳴られた事は忘れられないと言う。

この怖い話にコメントする

てっぐ様