田舎・地方の習慣
てっぐ様

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638 本当にあった怖い名無し sage New! 2012/06/21(木) 15:16:09.97 ID:CGPKhIrO0
恐らくそれは古墳か何かだったんだろうとおばちゃんは俺に言ったが、
妹ちゃんによれば、それが何だったのか大人達は教えてくれなかった
そうだ。
当時、半信半疑で妹ちゃんの話を聞いていたおばちゃんは田舎の暮らしで
一番楽しかった思い出は何だったか?と妹ちゃんに聞いた。
妹ちゃんはニコニコしながら、鹿の角をくっ付けた熊の毛皮を被った山伏
だか修験者みたいな沢山のおっちゃん達(だいたい40人位)が来た時が
楽しかったと言う。
おっちゃん達の顔は村人達とは全然違う初めて見る顔だった、堀が深くて
髪の毛も茶色っぽい色で、日本人よりも越してきて初めて見たTVで見る
外国人の顔に似てる感じだったという。
おっちゃん達は村に入ると全員でヤマババさんに深々と御辞儀をしてから
ヤマババ様以外の村の大人達全員と少数の子供達に目隠しをして家の
中に入らせて家の中から戸が開けられない様な木組みの仕掛けを施すと、
それ以外の子供達を呼び子供達を取り囲む様に円陣を組んでお経か
祝詞か外国語みたいなものを一斉に唱えはじめる。
そして持って来たお札がいっぱい張ってある気味悪い壺の中から小さな
白いお菓子みたいな塊を取り出して、子供達に配って食べさせたのだ…
そして、「さあ、たんがみさまらのとこさ遊びに行けよ」とおっちゃん
が言うと田んぼから沢山の歓声を上げながら、真っ黒な顔の無い
泥だらけの人の形をした者達が無数に這い出して走って来た…

639 本当にあった怖い名無し sage New! 2012/06/21(木) 15:18:47.10 ID:CGPKhIrO0
そして子供達の手を掴み田んぼへと引きずり込もうとする…何が何だか
わからずに引っ張られる子、面白がって自分から手を繋ぎ異形と一緒
に田んぼに走っていく子、泣き叫びながら必死に抵抗する子…次々と
泥中に消えていく…
妹ちゃんだけが、なぜか田んぼの中へ連れ去られなかった…しばらく
ぽかーんとしていると、「妹ちゃんはこどま(子供?木霊?)さまに
みみった(魅入られた?)だけなただのわっし(童子)だけん ここ
にいっ(入)ちゃなんね、さっ(寂み)しいかもしろんが、おれっ
ちゃらがわぜん(和人?)ぼんぞ(坊主?)らとはなす(話)つけっ
けらあっすん(安心)せえ」
とおっちゃんの一人が言ったそうだ、そういえば、自分一人だけは
あの白い塊を貰えなかったと言う。
その後、おっちゃん達が戸を開けると、出てきた村人は「てっぐ様あざっす」
「てっぐ様のおかげっす」とか口々に言うとお礼をたんまり渡した。
その後、数日酒宴が開かれた後おっちゃん達は山奥へと帰っていき
その数日後、妹ちゃんは田んぼで遊んでる時に急に村人目隠しを付けられて手を引かれ
ながら山を降りたそうだ、道が急に平らになったと思ったら目隠しを取られて産まれて初め
て見る車に乗せられて遠い親戚のおばちゃんの家にやって来たそうだ…。

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