ストーカー・きちがいの話
田舎の風習

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怖い話というのとは少し違うんだけど
私の母が子供の頃、だから昭和30年頃?のこと
うちの田舎ではちょっと頭のおかしいひとがたまにいたりして、これはたぶん
何年かに一人は当時あたまおかしくなっちゃう人はいたんだろうけど……

で、母のいた集落(田舎では小さな集落をそのまま部落と呼ぶのだけど)で
後家さんがいて、この人は名前は忘れてしまったけど物凄く器量よしだったらしい
とにかく美人で評判の未亡人が、夫を亡くして母のいた集落に戻ってきたそうだ。
そしてしばらくすると、当時いた頭のおかしなひとが、その後家さんを、いわゆる
レイ*するとか淫*な女だとか大声で叫びながら道を歩くようになって、そういうことは
しょっちゅうあったからしばらくは村人も無視してたらしいけども、
いよいよ鬼気迫るというか洒落にならないような感じになって、

それでまず後家さんを隠したらしい。

本家の納戸の奥に閉じ込めて、外に出ないようにしたらしい。
それでも本家のまわりで「出せ、出せ」とうるさく言って歩くので、結局その男は土牢に入れられたらしい。
土牢というのは山に横穴を掘って、竹で入り口を檻のように固めた牢屋で、
そういう施設があったってことはたぶん、そういうことは稀にあったんだろうと思う。

で、母はその土牢に毎晩おにぎりを持っていく役目だったそうな。
そこでそのいかれた男にちょっと悪い話なんかを聞いたりして、怖いながらもおにぎりを
持って行って食べさせていたらしい。そういうケアの方法は一般的だったそうな。

最近になって土地の売買だか台風だかでその土牢が無くなることになって、それで
なんとなく母が思い出した話。昔の、本当に田舎の話。

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