この怖い話は約 3 分で読めます。
110 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:2001/05/17(木) 01:02
少し書き込みをしにくい雰囲気ですが、こういった場で書き込みをすることで、
何か自分中にある心の痞えが少しでもなくなる気がするので、
板汚しとは思いますが、去年の夏に約十年ぶりに実家へ帰省したときのことを書きます。
長くなると思いますので、少し読んでみて興味のわかない方は、どうぞ飛ばしてください。
私は現在二十八歳で、二十歳までに霊体験をしなければ、
その先そういったことを経験することはないなんて言われていますが、
今まで霊を見たりなにか霊的な体験をしたりということはありませんでした。
そして、これからお話することも、霊とは無縁のことなのかもしれません。
ただ、私の人生の中でもっとも怖い、何か得体の知れない恐れを感じた出来事で、
いまなお、ときおり私の心を悩ますきっかけとなっているのです。
111 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:2001/05/17(木) 01:06
私の実家は新潟にあり、代々農家を営んできた旧家です。
本家を継ぐのは必ず長男なのですが、私の父は三男にもかかわらず本家を継ぎました。
なぜそのようになったかというと、父の兄が二人とも、痴れものというのでしょうか、
知恵遅れだったのです。
長男は、言葉はまともに話すことができるのですが、
頭のほうが子供のまま一向に成長せず、成すこともキチガイじみたことばかりだったようです。
次男にいたっては、頭だけでなく身体も弱く幼いうちに病気で亡くなったとききました。
そのとき、私の曽祖父にあたる人は幼くして死んだ孫に向けて
「この子は良い子だ、ほんとうに親孝行な子だ」と言ったそうです。
そういったわけで、父が本家を継ぐことになりました。
私も一人っ子なので、いずれ本家を継がなければいけないのではないかと思っていたのですが、
不思議と父はそういったことをまったく私に対して言いません。
112 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:2001/05/17(木) 01:10
早くに亡くなった祖父は、名と家を守るために私に本家を継がせるよう言っていたようですが、
祖父の死後、家云々の話は誰も言わなくなりました。
それどころか、父は私を家から離したがっているようにも思えるのです。
私は中学卒業を期に東京の高校へと入学させられました。
寮に入って高校に通い、そのまま大学も東京の学校に入りました。
その間一度も実家には帰りませんでした。
なにかあると必ず両親が東京にきて、用を済ませたのです。
大学卒業後、私はそれほど名の知れていない電気製品のメーカに就職しました。
それからも、盆にも正月にも帰省することなくあっという間に五年の月日が経ちました。
私が実家に帰ろうかと、電話で告げると、そのたびに父が、
「いや、帰ってこなくて良い、おまえは自分のことをしっかりやっておけば良い」と言うのです。
変に思いながらも、私自身東京での生活が忙しく、
父の言葉に甘えて十年近く実家に帰らぬままになっていました。