厳選怖い話
軽自動車

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<3/6> 俺『おいA。何があった?』
A『・・・あのさ見間違いかも知れんけどな。あの軽っておかしくなかった?』
俺『おかしいって・・・。まあ、異様に遅かったけどな.どうせ爺さんか婆さんかおばはんのとろとろ運転やろ?』
A『・・・・。あの軽の中見んかった?』
俺『・・・。見てないけど?』
A『・・・まあ、ええやん。止めよ。この話。』
俺『そこまで話し振っといて止めれるかいな。なんやねん、一体。』

話しながら、ふとバックミラーに目をやるとさっきまで何もいなかった真後ろに車が一台くっついて走っていた。
というより、もろに煽られていた。どう考えてもさっき追い越した軽が煽ってる以外に考えられない。
しかし物凄い煽りようである。パッシングするはハイビームだわ・・・。それでも俺は速度上げて頑張って走ったが
一向に振り切れない。そして挙句の果てにクラクションまで鳴らし始めた・・・。背筋に寒い物が走った。

俺『あかん。道譲るわ。さっきまであんだけとろかったくせに・・・。』

そうAに告げるとAが物凄い剣幕で言い返してきた。

A『あかん、ぜったいあかん。譲ったら、止まったらあかん!!!』

俺はAの様子に少々びっくりしたが落ち着いてAに言った。

俺『無理。こんな調子で煽られてこんな速度で走ってたら事故起こすわ。譲る。』

Aが何故か涙目で俺を見ていたが、分かったと一言言うとうつむいてしまった。
俺が道を譲ろうと左ウィンカーを出しながら速度をゆっくり落としながら車を左に寄せ始めると『ゴツン』という衝撃が後ろから走った。
早く行けとバンパーでこづいているような感じだった。相手が尋常じゃない奴だと今更ながら気付いた。
道を譲るのは無理だと判断した俺はまた速度を上げて走り始めた。
物凄く恐ろしかった。下手に減速できない。道を譲る事も出来ない。とにかく逃げ込めるスペースのある場所まで
事故を起こさないように走り続けるしかなかった。もう少し行けば、山頂に休憩用の駐車スペースがあったはずだ。

<4/6>  ものすごい煽りのプレッシャーを受けながらもなんとか道の左側に山頂駐車場の出入り口が見えた。24時間無料なので出入り口は
チェーンなど掛けられていない事は知っていたし、かなり広い場所なので、スピードを出していたがぶつけずに駐車場に入る
事が出来た。駐車場の中に入ってすぐに車がスピンしてしまった。強引な角度で入ったためスピンしたのだろう。
突然のスピンに気が動転したが幸いにも駐車場には他に車はなく、かなり広い事もあってどこにもぶつけずにすんだ。
停止してほっとして気がついた。あの軽自動車はいってしまっただろうか?ふと一つしかない出入り口を見ると、その出入り口をふさぐ形
で軽自動車が停車していた。全身総毛だった。
俺『どうしよ。なんか待ち伏せしてるみたいやで・・・。』
Aに喋りかけたがAは先ほどからうつむいたままこちらを見ようともしなかった。もともと気の強い方ではないAの事だ。
かなりテンパッる事は見ても分かるとおりだった。俺がしっかりしなきゃいけない。
それよりも先ほどぶつけられている事も気になっていた。傷でも付けられていたら弁償してもらわなきゃいけない。
立派な接触事故だ。怯えてテンパッてるAを見ているのとぶつけられ煽られた事に腹が立ってきた俺は、なんであんなのに
こっちがおびえなきゃいけないんだという気になってきて恐怖より怒りが前に出てきた。俺はAに

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