厳選怖い話
ムシャクル様

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508 本当にあった怖い名無し 2010/08/07(土) 00:05:55 ID:Q7CX8gv80
Aさんに振りかけた「臭い水」は、『ムシャクル様』をまつるほこらの西側にある池の水で、『ムシャクル様』にたたられた場合、その水をかけることによってたたりを清められる、と伝えられている。
『ムシャクル様』にたたられた者には、動物を投げつけ、その動物を殺しているうちに(その際に、より時間が稼げるように、この地域には大型の動物をペットにしている家庭が多い)池の水を汲んでくるしか対処法はないらしい。
水をかけたあと、なんらかの手段を用いて、たたりつきの意識を失わせ、その後目覚めさせることによってのみ、「正気に戻る」。
それ以外の方法で押さえつけた場合、自分の手首を噛み切ったり、爪で太ももの内側の動脈を切ったりして、「道具を使わずに」自殺してしまうケースが多いらしい。
年寄りは、「あんたには不運であったろうが、いつもの例からみると、今回は運が良かった」と何度も何度もつぶやいていた。

その後、Aさんは、脳震盪の検査の後、異常は見られなかったため、無事退院し、そのまま札幌に帰ってきた。

509 本当にあった怖い名無し 2010/08/07(土) 00:07:31 ID:XkpgPnCm0
Aさんが言うには、それ以来、「音」が怖くて怖くて仕方がない。
足音や、なにかがジャンプするような音、家鳴り、水滴の音などが聞こえると、体中がふるえあがってしまう。
いつまた自分がああなるか、自分の周りの人がいつああなってしまうかと思うと、怯えてしまってこまる、と言っていた。

その時、住職がなんと言ったか覚えていない。

普通に考えれば、精神的な病ではないか、ストレスへの防衛で怒りに転化したのではないか、などが考えられると思う。

が、僕にはこの話しは、勘違いや偶然とは言い切れない。僕の母方の祖父が、似たような話をしていたことを知っているからだ。

510 本当にあった怖い名無し 2010/08/07(土) 00:08:37 ID:XkpgPnCm0
祖父は若いころ、友達と、その恋人と三人で、恋人の故郷である、中国地方のとある県に物見遊山に行ったことがある。
恋人の一族の墓参りを済ませ、帰ろうとしているうちに、友人が便所に行った。そして、便所から出るなり、待っていた祖父に殴りかかってきた。
血の気の多かった祖父も即座に応戦し、両者血みどろになった(その際、目突きや首締め、金的など、普段はそんなことしない友人が、ダーティーテクニックばかりを使ってきて、その殺す気っぷりに驚いたらしい)。
そのうち、血相を変えた土地のお婆さんが駆けてきて、二人にべたべたする水をぶっ掛けた。なにをする、と怒り心頭に発した祖父だったが、いつの間にか男たちに取り囲まれており、袋叩きにされた。
恋人が周囲を走り回り、人を集めたものらしい。

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