厳選怖い話
ワンピースの女とBAR

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じつは彼女もある程度、あっち側の事がわかる人だ。但しあくまで
感じるといったレベルだが。彼女曰く、その嫌な感じは俺を狙って
いるわけでもなさそうだと言う。では一体。。。俺はその晩、彼女
を介抱しつつ考えた。

あのワンピースの女はあっち側の人なのか?それならBARで消え
たのも合点がいく。しかし何で俺に付きまとう?あのBARに行っ
たからか?ただの客なのに。。俺は色々と考えたが納得のいく回答
は得られなかった。

翌日、彼女はすっかり元気になり自宅へ帰っていった。彼女は帰り
際に「俺君が言ってたBARには行かないほうがいいみたいだよ」
と言っていた。彼女も何かを感じているらしい。俺は確かにそうか
も知れないと思ったが、折角見つけたお気に入りの店を失いたくな
いという気持ちと、あのワンピースの女の謎をどうしても知りたか
った。

その晩、気がつくと俺はあのBARの前に立っていた。

420 本当にあった怖い名無し sage 2010/03/01(月) 07:31:53 ID:5P0FeC7b0
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すでに日が暮れて真っ暗だ。辺りは人影もなく夏なのに妙にひんや
りとした空気が流れている。いつものように重い扉を引き、店の中
へ入った。と、わが目を疑った。いたのだ。あの女が。カウンター
の1番奥に座っているじゃぁないか。

やっぱり人間だったのか。。。

俺は安心するといつものようにジントニックを頼んだ。きっと自宅
の近くで見たのは別人だったのだろう。俺はそう思い、ノートPC
を開け、今までの出来事を整理した。ついでだからあのワンピース
の女も今回の企画に盛り込もうと、シナリオに追加した。うん、我
ながら面白い作品に仕上がりつつあるぞ。

すっかりご機嫌になった俺はそのまま一気にシナリオを書き上げた。

ふと時計を見ると深夜2時近くなっていた。俺はヤバイ、そろそろ
帰らなきゃ明日の仕事に影響が出ちまう、と思い支払いを済ませた。
ふと目線をカウンターの奥に向けると、あのワンピースの女はまだ
そこにいた。連れもおらず、ずっとひとりで飲んでいたのか?

この時、初めて初老のバーテンダーが自分から口を開いた。

「・・・明日はいらっしゃいますか?」

え?明日?う~ん明日は月曜で忙しいからちょっと無理かな。と言
うとそのバーテンダーは無言で背中を向け、酒瓶を拭き始めた。俺
は何か変だな、と思いながらも時間も遅いしその晩はそのまま店を
後にした。

421 本当にあった怖い名無し sage 2010/03/01(月) 07:33:39 ID:5P0FeC7b0
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翌日、確かに仕事は忙しかった。しかしあの昨夜のあの初老の言葉
がどうしても気になった。俺は仕事を早々に切り上げると、あの店
に向かった。いつもの雑居ビルに着くと、地下への階段を降りて行
った。重い扉を開けようと手を伸ばした瞬間、何かが足元に見えた。

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