夢・不思議
窓に

この怖い話は約 3 分で読めます。

最近あったことなんですが、夢だと思いたいので書き込みます。

半年ほど前に遠距離恋愛していた彼氏と同棲を始めることになり上京しました。

部屋は新しいの借りず、彼の部屋にそのまま転がり込む事になりました。
小さなアパートで二人で住むにはちょっと狭いワンルームだったのですが、私の荷物が少ないこともあり比較的スムーズに引っ越しは終わりました。

彼の部屋がどういうものか、何度か来ていたので知ってはいたのですが、やっぱり暮らしてみると気づく事って結構あるものですね。

部屋の汚さとか、寒さとか、勝手の違いとか色々と驚いたことがあるのですが、中でも特に気になったのはベランダの事でした。
彼の部屋は一階にあるのですが、ベランダと駐車場を区切るフェンスがかなり低く大の大人なら簡単に乗り越えられる程度の高さしかありません。

彼の部屋には当初カーテンもなくて、ベランダを乗り越えなくても駐車場からでも部屋の中がのぞき放題な状況で、流石に危機管理なさすぎでは?と思いました。
彼曰く、外に洗濯物が干せないのでカーテンの代わりに洗濯物でガードしていたとの事なのですが、女性と一緒に住むし危ないから、何より私自身がずっと覗かれているみたいで落ち着かないのでカーテンを買う事にしました。

それからはまあ、洗濯物は人が居る時に干して日中人が居ないときはカーテンを閉めて生活していたんです。

その日は私が体調崩してて、人が居るし大丈夫だろうと思って洗濯物を干してカーテンを開けて休んでたんです。
熱もそこまでなかったし、ひたすらにしんどいだけだったのでぼんやりごろごろ布団に横になっていました。
スマホ弄っていたり、読みかけの本を読んでいたりしてて、時間を潰していたのですが、不意にふっと部屋が暗くなっておや?と思いました。
日当たりはあんまり悪くないので、その日は部屋の電気を消して窓から入る光で日中は過ごそうと思っていたのですが、急に暗くなったので曇ったのかなー?と思って顔を上げたんですが。

その、窓に人がいました。

人がいましたっていっても、顔は洗濯物に隠れてて見えなかったんです。服はぐちゃっとした汚い寝間着を着ていました。多分女。

手のひらをべたっと窓にくっつけて、かろうじて見える口元から吐く息で窓が白く曇っていたのがすごく印象的だったのを覚えています。
目は洗濯もので隠れていて見えないのに、ずっとこっちを見ているのが顔の角度と視線でわかりました。

声も出ないまま硬直していると、向こうがゆっくりゆらゆら揺れ始めて、窓をたたき出しながら何か大声で喚きだしました。
半分ぐらいは罵倒だったと思います。
興奮状態の酔っ払いみたいな大げさな動きで、ひたすら要領の得ない叫び声をあげながら窓が揺れるほど叩かれていました。
ぴしっと窓にひびが入った瞬間、ようやっと悲鳴を上げて逃げようとして。

そんなところで目が覚めました、スマホを握りながら寝落ちしたんだと思います。
凄くほっとしました。妙にリアルで怖い夢だったなーと思って窓を見たら、窓に夢と同じ場所にひびが入っていました。
洗濯物を干したときにはなかったのに、寒暖差とかで割れたんでしょうか?それとも本当にあの女がそこにいたんでしょうか。

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