この怖い話は約 2 分で読めます。
859 3/3 sage 2009/09/18(金) 13:40:59 ID:uFfrqUIk0
もう真っ暗になっていたので車を急がせる。
「おい待て待て」
助手席の友人が慌てて運転席の友人を制止させる。
「こっち曲がったらさっきと同じ道じゃんか」
地図に走り書きした道筋を確認する。確かにこちらで合ってる。
俺たちは怪訝な顔を一斉に並べながらゆっくり細道を進んだ。
「ほらあれ、さっきの小屋」確かにさっきの小屋だ。間違いない。
男の子の姿は見当たらなかった。
ゆっくり小屋の横を通り過ぎて行き止まりだと分かっていたが進む。
すると、さっきは気づかなかったが右に曲がる割と大きな道があるのだ。
見落とした?それこそあり得ない。さっきはまだ今よりも明るかったし、
右側は一面が林だったはずなのだ。
「いやぁ、でも良かったなぁ!!」
「・・・」
俺が話しかけても、運転席と助手席の友人の反応がない。黙って車を走らせている。
「何々、どうしたよ」助手席の肩を叩くと「絶対後ろ見るな、絶対後ろ見るな」と小さい声でつぶやく。
その瞬間、俺も悟って押し黙った。
俺は気が動転して、10分ほど目をつぶって友人らのシートをずっと掴んでいた。
しばらく走ると大きな道に出た。その途端、助手席と運転席の友人が
合わせたように大きなため息をついた・・・。
「見た?」「見たというより、見えた・・・」
話を聞くと、
小屋の横を通り過ぎた際に、フロントライトの反射で小屋の中が見えたそうだ。
そこにさっきの男の子が立っていて、こちらを見てニターっと笑っていたというのだ。
口は裂けたように大きくて、目は人間のそれとは違って大きく吊りあがり、
獣のような真っ白な顔だったという。二人とも説明が合致していた。
狐に摘まれたような体験だったが、本当に狐の仕業だったのかもしれない。