洒落怖
豹変

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とにかく、外部へ連絡することもできず、部屋から出るにはAを押しのけて出なくてはならない。
Aはキッチンの真横に立っていて、無理に押し通ろうとすれば、再び包丁を出してくるかもしれません。
しかも、昼間に神社へ引っ張って行こうとした時の力を考えると、勝つことは難しそうです。

699 本当にあった怖い名無し sage 2009/09/04(金) 11:45:27 ID:MfsLtCHu0
絶望的な気持ちになりました。
もしかしたら、ここで死ぬのかもしれないとすら思いました。
時間だけが過ぎていきます。電話と違ってテレビは付きましたから、テレビを見ながら、ぼくはただ行儀良く座っていました。Aは何やら動いているのですが、玄関前を決して離れようとしてくれません。
本当に怖かった。喉がカラカラに渇き、背筋が凍り付きました……。
たしか23時を少し過ぎたくらいだったと思います。さすがにこの状態で一泊することはできません。ましてや、3時まで待つなんて自殺行為ではないかと焦り始め、この状況を切り抜ける手段を模索しました。

ふと助けを呼ぼうとして窓から外に目を向けた瞬間、「そうだ、いっそのこと窓から飛び降りてしまおう」と思いました。2階でしたが、幸いに下は土。
一度窓からぶら下がるようにして、そこから手を離して飛び降りれば、骨折したり足を痛めたりするほどのことはないかもしれないと検討をつけました。
次の瞬間には既に、矢も盾もたまらずに窓を開けて、一気に外へ飛び降りていました。この瞬間のことは、よく憶えていません。
しかし幸いにも、足を痛めることはありませんでした。

気づいたら叫んでいました(笑)
住宅街の中を裸足のまま、全力疾走で逃げていました。
A宅を振り返ると、Aが窓からこちらをジーッと見ている影が見えて、再び叫んでしまいました。
深夜に住宅街を気勢を上げながら裸足で走っている男なんて、今考えれば超危険人物です(笑)

700 本当にあった怖い名無し sage 2009/09/04(金) 11:47:47 ID:MfsLtCHu0
裸足のまま電車に乗り、とにもかくにも自宅へ逃げ帰ることができました。
裸足での移動はかなり恥ずかしかったです。
しかし自宅にいるのも怖くて、靴を履いてすぐ、他の友人の家へ転がり込みました。

1週間ほど友人の家を転々としました。
この頃、個人的にウェブの受託開発の仕事を請け負っていたりしたのですが、もうそれどころではありません。
おかげで納期が遅れてしまった先があり厳しく叱られましたが、Aがいつ目の前に現れるか恐ろしくて、
仕事どころではありません。(後日、納期が遅れたお詫びとして無償で納品しました)
A宅へ一緒に行った2人と相談すると、2人とも絶対に何かおかしいと思っていたと言います。
ぼくも確かに不自然だと思っていましたが、その友人ら2人ほど異様な感じを受けていなかったので、本来ならぼくには縁のない世界なのかもしれません。

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