洒落怖
貸別荘

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俺達はなにかおじさんに必死さが感じられてかなり不安になってきたが、今更どうしようも
ないので別荘の中に入った。
別荘は外観もそうだったが、洋風のかなり古いつくりで、築30年か40年くらい経っていそう
な建物で、インテリアもそれに見合ってかなり古臭い。
ただし、使われていなかったというわりにかなり小奇麗だった。
今から思うと、小奇麗と言うより「人が使った痕跡が殆ど無い」といった方が良い感じだったが。

175 3 sage 2009/06/06(土) 11:35:13 ID:Psvxll6A0
一通り別荘内の説明を聞き、建物も2階建てで広いしまんざらでもないなと荷物を降ろし
夕飯のバーベキューの準備をしようとしていると、おじさんが去り際におかしな事を言い出した。
ここは夜中に熊が出る可能性があるので、深夜の外出は控えて欲しいと言う。
俺達はなぜか、かなり念入りに深夜の外出をしない事を約束させられた。
ペンションの密集地から15分しか離れていないこんな場所に??と皆疑問に思ったが、
まあ恐らくガキが夜中に出歩いて問題をおこしたり事故に合うと面倒なので、怖がらせるような
事を言って脅かしているのだろうと納得した。

一日目はそんな感じで過ぎ、晩飯を食った後で夜中の森の中を適当に散策し、花火をしたり
ゲームをしたりと遊んで深夜2時頃に寝た。
その日は特におかしな事は無かったのだが、次の日友達の1人が変な事を言っていた。

そいつは夜中に小便がしたくなり、トイレに行くと、外から太鼓の音が聞こえてきたらしい。
俺達は何かの聞き間違いだろうと言ってそのまま流し、本人も気のせいだろうと納得したが、
その日の夜に事件が起きた。

その日、晩飯の焼肉を食い腹もいっぱいになったし暇になり、する事が無かった俺達は
昼間見つけた林道へ肝試しに行く事にした。
肝試し中は何事も無く、俺達はつまんねーなと別荘に戻ると、入り口に20代後半くらい?の
男が立っていて、ドアノブを握っている。
時間は夜10時頃。
こんな時間に管理人の人が来るとも思えず、「空き巣か?」と俺達が近付いていったのだが、
その男はドアノブを握ったままこちらを振り向こうともしない。
足音も声も聞こえるのだから、泥棒や不審者の類なら逃げそうな物だが、そいつは10mくらいまで
近付いても微動だにしない。

何か気持ち悪かったが、メンバーでリーダー格の友達と俺が「おっさん何してんだよ」と言いながら
近付いていき、男の目の前まで来たのだがそれでも動く気配が無い。
埒があかないので友達が「聞こえてないのかよ!」とそいつの腕を引っ張った。
その瞬間俺と友達は「うわあああああああああ」と大声を上げて後ろへ飛びのいた。

176 4 sage 2009/06/06(土) 11:36:05 ID:Psvxll6A0
何故飛びのいたかというと。

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