洒落怖
旧家の解体

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木部が壊れ、内部が見えた時、空気が凍った。
誰もが口を開かなくなり、何も指示はなかったが、
いっせいに工具を置き休憩にはいってしまった。
みんな重苦しい顔をして、うつむいたまま出て行く。

丁度その時に別の場所を担当していた俺は、3時の休憩には早い為、
おかしいと思い、例の空間を覗き込んでみた。

563 本当にあった怖い名無し sage New! 2009/01/25(日) 15:30:49 ID:CCRg2OAa0

572 つづき sage New! 2009/01/21(水) 21:34:12 ID:Fe5HwEBp0
386 名前: 本当にあった怖い名無し Mail: sage 投稿日: 2008/12/17(水) 19:13:34 ID: 9Xs97Vpl0
投光機で中を照らすと、正面の壁に般若の面があり、
壁は一面御札で埋め尽くされていた。
施主のいたずらじゃないかと疑いたくなるほどに、演出されたような部屋だった。
般若の面の下、床の上には箱が一つ置いてあった。
演出ではできない、長い年月で溜まった埃が、
古くからそこに安置されていたものと想像させた。

俺は手に触れることなく外の職人たちに話を聞きにいった。
職人たちの話では、壊したら出てきた。気味が悪くこれ以上はしたくない、との話だった。
それ以上はなにもわからない。当然といえば当然だが。
施工管理(現場監督。スケジュール管理などする)をしていた俺としては、
竣工日が延びると経費が増えてしまう為に困り果て、
施主に携帯で連絡した。施主は工事中近くに住む親戚のうちに身を寄せていた。

施主自身も部屋の存在すら知らなかった為に、非常に驚いていた。
本家のおじいさんに電話して聞いていたが、依然としてなにも判明しなかった。

564 本当にあった怖い名無し sage New! 2009/01/25(日) 15:31:14 ID:CCRg2OAa0

573 つづき sage New! 2009/01/21(水) 21:36:06 ID:Fe5HwEBp0
387 名前: 本当にあった怖い名無し Mail: sage 投稿日: 2008/12/17(水) 19:20:36 ID: 9Xs97Vpl0
職人が手をつけないので、俺が一人で、そこを解体することになった。
壁を壊し中には入れるようにして、手を合わせてから中にはいった。
まずは箱を取り出し、外に出る。箱は埃をぬぐうと、御札で厳重に封印してあり、
黒い漆塗りの重厚な物だった。
施主に中身を確認してもらう。「埋蔵金だったりね」などと冗談を言うのだが、
明らかにまがまがしいような箱であり、誰も笑っていなかった。

箱を開けると、中には雛人形のような烏帽子をかぶった人形が一体と、
紙で巻かれた髪の毛の束。

髪の毛の主はまともな死に方をしていないだろう事は想像に安い。

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