洒落怖
怪現象の元凶

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863 Teddy ◆38avq92H7U sage 2005/11/27(日) 00:57:23 ID:L2HU3A4n0
(4/10)
たすけに来てくれたのは、下の階の夫婦だった。その二人によると、まえの住人も夜中に騒ぐことがあったので、何度か注意をしていたんだそうだ。部屋の外で、おれは部屋の電気がつないこと、部屋のなかで起こったことを話した。夫婦は、意外にも、俺の頭がおかしいとは思わない様子で、黙って話を聞いてくれた。そして、二人は「夜中だから、今日は私たちの家に泊まって、明日電気屋を呼ぼうね。分かった?」って言ってくれた。涙があふれた。東京なんて、高いビルばかりの冷たい街だと思ってた。でも、夫婦は本当に優しい人たちだった。その夜は、夫婦の家に泊まった・・・・「またこの物件かぁ。」翌朝、管理人と電気屋が溜息混じりに言った。「この物件ね、よく停電するんだよ。しかも、何でもないのに、電気がつながらなくなっちゃうんだよね。」とにかく、俺は鍵を開け、部屋の扉をそっと開いた。すぐに、異常な物が目に映った。脱衣所の扉に、べったりと、赤い液体がこびりついていた。あまりの恐ろしさに、俺は、気が動転し、息ができなくなった。

865 Teddy ◆38avq92H7U sage 2005/11/27(日) 00:58:19 ID:L2HU3A4n0
(5/10)
「またかぁ。」扉を拭きながら、管理人が、ひとりごちた。「いまさらで悪いんですけどね。」ばつが悪そうに管理人が続ける。「前にも、何度か同じようなことがあったんですよ。ここは元々、建売のマンションだったんですけどね、なぜかこの部屋だけは、持主の意向で賃貸にしたんですよ。日当たりも悪いんですけど、こ
の部屋は、異様に暗くて、買手がつかなかった。持主は、設計上瑕疵があるに違いないので、とても人様には売れない、この瑕疵の分、割安価格で、賃貸にしようって言いました。私は管理を担うだけだから、従いました。」管理人は言葉をとめた。平静を保つためか、タバコをすった。しばらくすると管理人は「私を
責めないでくださいね。」ポツリと呟いた。「最初の住人。。責任は彼らにあるんですから。」そこで、管理人は口を閉ざした。

866 Teddy ◆38avq92H7U sage 2005/11/27(日) 00:59:11 ID:L2HU3A4n0
(6/10)
自分の部屋が怖い。この事実に、俺は耐えられなかったが、自分の荷物が全部この部屋にあることがそれ以上に恐ろしかった。
「勝手で申し訳ないですが、引っ越してください。」管理人が手を床につき言葉を繋げた。「引越しに必要な費用は、こちらに負担させてください。」俺は本当に救われた。昨晩のことで破けてしまった心が、再びつながった気がした。すぐに、不動産屋に連絡した。持主にも。両者とも、素直に納得し、解約の申し出はこの電話のみで良いといってくれた。引越屋の手配も請負ってくれた。幸い、引越し初晩で、荷物の大半は開いて
はいなかった。片付けはあまりないけれど、俺の精神状態を酷く心配した夫婦が、手伝ってくれた。片付けも終わり、いよいよ引越屋を待つだけ、となった時だった。旦那さんが、余計なものを見つけた。「このビデオテープは君の?」

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