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そのまま夜神楽の会場に入り、座っている友人を発見し、横に座りました。
友人は激しく拒否ってきましたが「ここは由緒正しい神社だ、何が起こるってんだ」と
言うと何やら納得したようで反撃はなくなりました。素直な友人で良かったと思います。
会場へつくと同時に背筋のゾゾゾが無くなったので、きっとどこかで見ているのかも思い
周囲を確認していました。ふと頭をトントンと叩かれた気がしたので、天井に向けて
デジカメで写真撮ったら、綺麗な白いオーブが写りこみました。
おおっと思って友人に見せようと思いましたが、ここで騒がれてもと思い、止めました。
他にもこれヤバイやつかも知れないと思われる写真がかなり撮れたのですが、友人には
内緒にしていました。で、友人にとって最大の恐怖が次の日の明け方に起こりました。
夜神楽の会場から宿に帰り、明日は帰るだけの日となります。あとは寝るだけです。
電気を消して寝たんですが、ドーンドーンと言うとんでもない騒音で目が覚めました。
気がつくと障子には薄っすらとですが外から太陽の光りが差し込んできています。
ああ、もう朝か、でも何、この音、としっかり意識が覚醒すると、それは音だけでは
ありませんでした。
天井にある板、土壁のある壁2ヶ所、4枚の襖、廊下側の障子、畳、震度4くらいの地震の
ように揺れ続けていました。揺れているだけでなくドンドンと叩かれているような。
友人が設定した携帯電話の目覚ましがリリリリと鳴ると、ピタリと振動が収まりました。
どうやら友人も起きていたらしく、地震?と尋ねてきました。
とりあえず、嫌な予感してたんで、そうかもねーと返しておきました。
身支度を整え、宿の人が用意してくれた朝食を食べながら、友人は宿の人に「今朝の
地震、凄かったですねー」と言うと「地震?ありませんでしたけど」と返されてました。
「あ、じゃぁ、二階の人たちとか、隣りの人が騒いでただけかもですね」と友人が
言うと宿の人は「お客様のほかに宿泊されているお客様は別棟にいらっしゃるので、
それはありません」と。この時点で友人は震えてました。見るからに。
確かに平日で季節はずれの宿泊客な自分たちなのですが、まさか同じ日に宿泊している
客は5組だけで、自分らがいた棟には自分らしかいなかったなんて知らなかったんです。
もしかしたら、あの激ヤバな写真のせいかもと密かに思った自分は、宿の人に不審がら
れるとわかりつつも神社でお祓いできないかお願いしました。
宿の人は心得ていたようで「わかりました。予約しますね。ああ、大丈夫です。土地が
土地なのでこういうことは慣れていますから」と言ってくださいました。
「あんたのせいだ!」と案の定、友人から責められました。違うと言い切れず、撮った
写真も隠していたので反論できませんでした。謝りませんでしたが。