洒落怖
哀しい顔をした男

この怖い話は約 3 分で読めます。

 サービス残業で夜間警備をするようになったと前書きで書きましたが、業務内容は単純。
 定時になったら国旗と社旗を下ろして、正門を施錠。2時間置きに巡回して、23時に宿泊施設の電気を消灯。
 それ以後は仮眠を挟みながら研修棟、管理棟、宿泊棟、屋外敷地を巡回警備するというものです。
 ただまぁ真っ暗な廊下を小さいライトを片手に一部屋一部屋入るのは流石に気味悪いですよ。

 ラップ音でしたっけ?窓がギシアンいったり壁ドンされるやつ。
 あれは前からちょくちょくありましたが、私個人としてはそれを霊障とは思ってないのでなんのことはなかったのですが・・・。

 24時
 宿泊施設の消灯を終え、各棟見て回ることにしました。
 研修棟に入った時、空気が変わりました。妙に空気が重いんです。
 えっ?なに?この空気。換気してないからか?

 その空気の影響か。寒さからか、夜食に食べた○野家の牛丼の影響か分かりませんが、急にお腹がぎゅるぎゅる言い出して
 無性にトイレに行きたくなり、トイレに駆け込みました。
 勿論消灯済みなのでトイレの中は照明がつきません。トイレは怖かったですがぼっとん便所でなんとか用を足し、巡回に戻ると、
ふと視線の先に変な人を見つけました。

253 本当にあった怖い名無し sage 2011/09/19(月) 23:29:31.56 ID:kFe6hBPB0
自分がいる廊下の反対側に非常階段があり、そこからじっとこっちを見ている10代後半くらいの男の人がいたんです。

おいおい宿泊者が酔っ払って迷子になったのか、それとも浮浪者か?

 面倒だなぁと思いつつ「ちょっとお兄ちゃんもう消灯時間だしこの時間ここは立ち入り禁止区域だよー」と言いながら歩いて
そちらに向かいました。
 でもその人は全く動こうとしません。しかも何かがおかしい。

 その廊下は優に100mはあるのですが、普通端から端にいてこの暗闇の中そこに人がいるのかなんて分かりませんよね。
 なぜか腰から上が白い靄?というかうまく説明できないんですがとにかく明るくて顔がはっきりわかるんです。
 すごく哀しそうな顔をしてじっとこちらを見続けているんです。

 段々私も気持ち悪くなってきて、さっさと追い払おうと思い「おい聞いてるのか?ここは立ち入り禁止だから!」と声をかけ
 続けながら歩きました。
 だいぶ近寄ったところですっとその人が死角に入り、多分階段を下りたのかとその時は思ったんですが、その場所からは
いなくなっていました。

 まぁよくわからないがいいかぁーと思いそのまま巡回を続行。

 その後は特に何もなく巡回を終えて係長と警備を交代し私は仮眠室に入りました。

 

254 本当にあった怖い名無し sage 2011/09/19(月) 23:30:19.49 ID:kFe6hBPB0
夜中の2時過ぎ
 部屋の気温は5度くらいなのに無性に寝苦しく汗だくで起きました。
 枕元にペットボトルの水を置いておいたのですが、それが無くなってる。
 正確に言うとペットボトルの中身がからっぽ。
 え?なんで?と戸惑いました。寝ぼけてるうちに飲んでたのか?とか思いながらも水道で水を入れて、水を飲み終えた後
また布団の中に入り目をつむりました。

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