洒落怖
ランダムキャンプ

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「うわああああああああああああああああああああああ」

と叫びながら車とは逆方向、川の方へと走って行ってしまった。
俺達は「おいB待てって、ちょっと止まれ!」と言いながらBの後を追った。
Bはそのまま川を越えると、さっきの砂利道を建物とは反対方向へと走って
行く。
とにかくわけも解らずBを追いかけた。

暫らく走っていると、Bは一瞬立ち止まると90度方向をかえ、道ではない
場所を沢の方へと下りて行ってしまった。
俺たち3人もその後を追う。

暫らく懐中電灯を照らしながら道では無い場所を走っていると、俺は脚を踏み外し
窪みの様になっている場所に落ちてしまった。
背中を地面にぶつけて暫少しの間呼吸ができず、うめきながら起き上がると、遠くに
Bを呼ぶAとCの声がする、どうやら俺が落ちた事に気付いておらずそのまま
進んでしまっているようだ。

155 12 sage 2011/05/26(木) 20:01:51.74 ID:eyYw6u020

俺は手足を動かしてみた。
怪我はしていないようで、背中をぶつけた痛み以外に痛い場所は無い。
その間にAとCの声も聞こえなくなってしまった。
とにかく上に上がらないと、そう思った俺が窪みを登ると、また背後に気配を
感じた。
恐る恐る後ろを振り向き懐中電灯を照らした。

何もいない…

なんとなくホッとした、よたよたと歩きながらとりあえずB達が駆け下りて
行った沢の方へと歩き出した。
沢に下りると皆を探さないとと思い

「おーい、A、B、Cいるかーーーーーーーー!」

と大声で叫んでみた。
が、反応はない。
するとまた背後に気配を感じる…
そして、今度はそれだけではなかった。
風の乗って、さっきキャンプ地で聞いたのと同じ、何かが歌っているような声が
また聞こえてきた。
そして、まだ内容はよく解らないが、さっよりも近くはっきりと聞こえるように
なってきている。

156 13 sage 2011/05/26(木) 20:02:31.72 ID:eyYw6u020

暑さとは違ういやな汗が全身に噴出してきた。
歌声は段々と近付いてくる、恐怖心を振り払い背後を振り向くと暗闇を
懐中電灯で照らした。
しかし、やはりなにもいない…

歌声は更に鮮明に聞こえるようになり、ほんの20mか30m先にまで
近付いてきたのだが、何故かその時動けなかった。
動けずにいると、歌声はもうすぐ側までやってきた、なぜか未だに
どんな歌詞で歌っているのかさっぱりわからないが、かろうじてどうやら
何かの民謡のようだということだけ解った。

混乱してあたりをキョロキョロしながら懐中電灯で照らしまくっていると、
周囲に複数の気配を感じた。
だが、気配は感じるのだがどこにも姿が見えない、姿が見えないのに、
明らかにそこに「何かがいる」のだけは解る。

意味が解らない、俺は恐怖心と暗闇に一人というこの状況で完全に冷静さ
を失っていた。
その時、俺のすぐ後ろで誰かが何かを囁いた、囁く時の息の生暖かさ
すら感じた。
今まで感じた事の無いような恐怖心を感じながら後ろを振り向むき
懐中電灯を照らした。
が、やはりそこには何もいない…
何もいないのだが、はっきりと目と鼻の先に「何か」の息遣いを感じた。

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