洒落怖
撃退

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この隙間に入れておけば臭いが部屋に拡散せず、かつ後で処理するときゴミ箱を漁るような真似もしなくていい
そう考えて俺はオナティッシュを隙間の奥に詰め込んで、安心して眠りに落ちたのだった
そのことを思い出すと一気に恐怖がなくなった。思わぬもので霊を撃退した。謎の達成感に包まれていた
だが真の地獄はここからだった
ティッシュの処理のため一階に降りると、そこには今まで見たことがないくらい暗い顔をした母が立っていた
いつの間に帰っていたのか?あの幽霊と出会わなかったのか?などと考えていると、母はぼそぼそと俺に話を始めた
そこで俺が耳にしたのは辛く悲しい現実だった

母は今日叔母の家に遊びに行っていたこと。するとしばらく会っていなかった従姉妹が俺と夏祭りに行きたいと言い出したこと
従姉妹が俺と夏祭りに行くために浴衣に着替えて家にやってきたこと。その子が俺のオナティッシュを見つけて触れてしまったこと
エロ本を見つけるつもりで思わぬババを引いたらしい。従姉妹はしばらく泣いていたが叔母に連れられて帰っていったそうだ
聞き終わる頃には俺は完全に血の気が引いていた。きっと顔は真っ青だったろう。母は涙目だった。なんでこんなことになってしまったのか
オナニーをした後のような虚脱感、喪失感に襲われた俺は、その日以来隙間というものがトラウマになった

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