洒落怖
恩返し

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全然怖くないのでスレ違いかもしれんが…無性に誰かに話したくなったので聞いて下さいな。
ついさっき体験した不思議な出来事。

つい今しがた夢を見たんだ。すっげぇリアルな夢。
懐かしい、爺ちゃんの夢。もう死んじゃってこの世にはいないんだけど。
久しぶりに地元に帰省したって事で友達と一緒に飲んでたんだ。それでどういう訳か俺の爺ちゃんの話になって。
「よくお前の爺ちゃん俺達にも小遣いくれたよなー」とか、他愛も無い話なんだけどね。
話してる内に皆寝ちゃって、俺もそろそろ寝るかーって横になったんだ。
すぐに眠気に襲われて、気づいたら何故か自分の家にいてさ、あぁ、これは夢なんだって思った。
(続く)

116 名前: 本当にあった怖い名無し 2006/08/11(金) 13:45:00 ID:oKHAc5xv0
だって、死んだはずの爺ちゃんが一人でテレビ見てるんだもの。そんでこっち向いて「一緒に見るかー?」なんて言われたんだ。
この時点でほんのちょっと泣きそうになった。爺ちゃん、俺が何も恩返しできない内に逝っちまったから…
で、せめて夢の中だけでも…って思って勝手ながら恩返しさせて貰う事にしたんだ。
俺、製菓の専門学校通ってるから饅頭でも作ってやろうかと思って爺ちゃんに「ちょっと待っててくれよ」って言って台所に行ったんだ。
そしたら都合良く漉し餡が用意されててさ、生地作って蒸すだけでよかったんだよ。で、案の定すぐ完成したんだ。
それで、爺ちゃんに「食ってくれよ」って言って爺ちゃんの前に置いたんだ。
爺ちゃん、暫くは怪訝な顔で俺と饅頭交互に見てて食べてくれないんじゃないかって不安になったんだけどさ、急にあぁ、そうかって顔になって、食べてくれたんだ。
俺の作った饅頭さ、スーパーで売られてるやつみたいな綺麗な形じゃなかったんだけど、爺ちゃんは「うまい、うまい」って言いながら食ってくれた。

117 名前: 本当にあった怖い名無し 2006/08/11(金) 13:47:53 ID:oKHAc5xv0
それを見てたらさ、夢の中なのに涙が溢れてきて止まらなくなったんだ。
爺ちゃんに泣きながら必死に謝ったよ。「今まで酷いこととか言ってごめんな、通夜でも葬式でも寝ててごめんな」ってさ。
爺ちゃんは「いいんだよ、気にしてないから。お前はよく寝る子だったからな、むしろホッとしたよ」って言ってくれたんだ。
そんな事言われるなんて思ってなかったから、俺、爺ちゃんに抱きついて泣きながら「ありがとう、ありがとう」って言い続けたんだ。爺ちゃんはずっと俺の頭を撫でてくれてた。
暫くそうしてて、俺が落ち着いてきたら、爺ちゃんが「さて、そろそろ行かなきゃならん。饅頭、美味かったよ。ご馳走様」って言ったんだ。
俺、こんなことで恩返しできたのかわからなかったから、「行かないで、もっともっとお菓子作れるんだよ、俺!」って訳のわからない事言いながら必死に引き留めた。
でも爺ちゃん、「また、食べさせておくれよ」って言って、笑顔で消えてったんだ。

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