洒落怖
土地売買

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都内の西側に伯父がちょっと広い土地と工場の跡地をもっていたんだ。
不況で損害蒙った伯父は、これを売りたがってたんだよ。
つっても伯父も金なくてね。更地にはできなかった。
俺のいる不動産業もやばくてね。
仲介手数料安くするからやるよって引き受けたんだ。
比較的安めだったから結構大きな企業とかから問い合わせもきたし。
現地案内にも何度かいった。でもなかなかきまらなくてね。
それで悩んでた時に電話がきたんだ。
その土地の購入を考えてるって人からね。
じゃあアポと下見日程をってきりだしたら、もうそこにいるってのよ。
契約書もってきてくれないかっていうから、慌てて社用車とばしてむかった。

その人とは土地の近くのサテンで待ってるはずだったんだけど。
サテンはみつかったんだけど潰れてるのね。
あっれーって思いながら携帯に電話したらつながるの。
もうちょっとよくみたかったから移動したっていわれて
頭に?つけながらまあいったわけ。
そしたら七十代くらいの老人が塀の門の前で待ってた。
こっちをぎろって睨んだ後、聊か落胆したような様子だったな。

で、契約書にはサインもらったんだわ。
値切り下限ラインの書類ももあったんだけど、値切られもしなかった。
それでまあその日は帰って翌日社に提出。
大口の話だからみんなよろこんじゃってさ。鼻が高かった。
さらにその翌日社についたら社長がいきなり怒鳴りつけてきてさ。
なんだろうとおもっていったら。
「おまえふざけるな!連絡先に電話したら
 このゼンゾウって人死んでるっていうじゃないか!」
へってなったよ。

316 本当にあった怖い名無し sage New! 2010/05/28(金) 18:12:42 ID:ifGdHwpD0
そんな馬鹿なとおもってたときにその社長がいきなり硬直するのね。
んでゆっくりと視線を俺の右後ろのほうにやるのよ。
そっちには確か書類棚があったなとおもいながらふとみたらさ
じいさん、いるのよ。しかも透けてるの。
棚に手をのばしてさ、顧客リストのファイルを取り出すのよ。
俺もかたまった。つうか社長と一緒になって固まってた。
つうかね。よこからみるとさ、首に変な跡がついてんのよ。
向こうの景色が透けてるのにもびっくりだけどさ。
青くて太い線が喉から顎の骨をそって上のほうに。

「どこだ」
「土地の売主はどこにいる」
しばらく調べ物してからこっちにむいてこう聞かれた。
まだ売主との最終合意してない案件だから、売主の情報は担当の俺のデスクの中なわけ。
伯父が狙われてるんだって咄嗟におもって。
「いえない。そういう職業なんだ」
ってこたえたらすっと消えた。

社長のほうを振り返ったら。
「お前、背中!背中!」っていうんだ。
よく話をきいてみたら
じいさんが消えたあとに
青白い光が俺の背中から中にはいってったっていうのよ。

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