洒落怖
田所くん

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666 田所君7 New! 2012/05/27(日) 01:41:03.12 ID:1HnKSW970
田所君の「創作ではない話」を聞いた俺たちの心は一つだった。
「シャレにならない」。
つまり、怪談話を怖がれば怖がるほど、実際に起こるんだよ、と言われたようなものだ。
今考えれば言霊信仰とは全然関係ない気もするし、
これもある意味で創作だったのでは、とも思うが、
当時これを言われた俺たちは言霊信仰の真偽よりも
「怖がるとマジで起きる」というシャレにならない話に震え上がった。
この田所君の「創作ではない話」は、あっという間に全校に広まった。
そりゃそうだろう、今までなぜ田所君が作り話しかしなかったのか、
その理由が明らかになった上、怖がると嘘の話も本物になる、と言われたのだ。
これを機に、学校のホラーブームは完全に収束した。

これが、田所君の「創作ではない話」の一つ目だ。

667 田所君8 New! 2012/05/27(日) 01:42:51.56 ID:1HnKSW970
その後ホラーブームがぶり返すこともなく、俺たちは6年生になった。
ブームは収束したが全く怪談話をしなくなったわけではなく、
俺のクラスは時折田所君の怪談を楽しんでいた。
田所君の怪談を聞きに、他のクラスからもたまにやってきていた。
大きな問題もなく、せいぜい放課後に教室を占拠するくらいで
先生たちも大目に見てくれていた。

そして小学生最後の夏休み明け。
田所君は夏休みの終盤に体調を崩していたらしく、
2学期が始まって1週間ぐらい休んでいた。
「一人だけ夏休み延長してんじゃねーよ!」とみんなに言われ、
弱々しく笑っていたのを覚えている。
ともあれ、1週間お預けを食らっていた俺たちは、
今日の放課後楽しみにしてるぜ、と口々に言った。
いつものように放課後の教室に集まった俺たちは、
夏休みの思い出を交えながら田所君の怪談を聞いた。
その時の田所君の話は「蓋の話」。その内容は、以下のとおりだ。

668 田所君9 New! 2012/05/27(日) 01:43:45.34 ID:1HnKSW970
「ある小学生が、夏休みを利用して一人でおじいちゃんと
おばあちゃんが住んでいる田舎に遊びにいった。
田舎といっても寒村というわけではなく、それなりに栄えている町だ。
小学生は、自由研究で神社やお寺を調べるつもりだったので、
その町の神社などを回っていた」

「町外れの小山の上に建っている神社に行ったとき、
小学生はその裏手に何か妙なものがあるのを発見した。
木でできた蓋だった。直径150センチくらいの円盤で、
汚れ具合から見てずいぶん古いものだった。
手にとって見てみると意外なほど重く、かなりしっかりしたものだった。
厚さは10センチ近くあり、木の板を何枚も重ねて作ったもののようだった。
表は木目が分かるほどだったが、裏は何故か真っ黒に爛れていた」

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  • 匿名 より:

    ワロスw
    ホモビの人やんw

  • 田所くん