洒落怖
東京のアパート

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41 本当にあった怖い名無し 2009/08/04(火) 14:43:01 ID:SIW1m7640
東京のアパート⑤

玄関扉はスチール製で形は昔の市営や県営住宅を想像してもらえばわかると思う。
やや中心より下にポストの差込み口があり,部屋内側は受けの箱が格子状になっている。
差込口から中の鍵までは,目視できない。角度的に,どーしても格子の隙間から玄関の床タイルしか見えなかった。
それでもハンガーの先を手探りで鍵に合わせ様とする。ガチャガチャと音はするものの,手ごたえは感じられない。
(くそっ!どーなってんだ?)焦りがピークに達した時,チャカっと手ごたえが!
『!?やった?とれたか?』慌てない様に慎重に引きぬく。鍵がそろそろ見えるくらいの時,確認の為
ポストを覗いた,その時だった。

(!!えぇっ??)格子の隙間から玄関タイルが見える・・・が,そこを何かが横切った!
一瞬の事だったが・・・赤ん坊?に見えた。ぷっくりとした右足と右横腹。ハイハイをしている赤ん坊を想像した。
(・・・いやいやいや・・・ありえんやろ?)
躊躇はしたが,時間も無いし,金も惜しい。意を決して鍵を抜き取り,鍵を開けた

スチール製の扉は,重そうな音をたてながらゆっくりと開いた。
恐る恐る半分逃げ腰で中を覗く。
(大丈夫だ。何もいない・・・)内心ホッとして,勢いにまかせて扉を開き,中に入った。
ダイニングのテーブルの上の封筒を確認する。靴を脱ぐのもそこそこに半分土足ぎみにテーブルに
駆け寄る。封筒を手に取り中を開く。
(あった。よかったぁ。)あるのは当たり前なのだが,この時は何故か安心した。
10万を封筒に残し,残りの金をサイフにしまう。
(・・・これで忘れ物は無いな・・・)と思って何気に自分の部屋の方を見た。
『!うわっ?!』
腰が抜けそうになった。俺がさっき部屋を出た時に磨りガラス障子を閉めてたんだけど,
そのガラス越しに誰かが立っている。いや,正確には,白い人型が立っていた。輪郭からして
背丈は150~160ぐらい。体部分?は白い服っぽい。頭部分と思われる所は輪郭がアヤフヤだが
黒髪で長いのか短いのかわからない。それが俺の部屋の窓からの光でボヤァと浮かびあがってる。

43 本当にあった怖い名無し 2009/08/04(火) 14:44:02 ID:SIW1m7640
東京のアパート⑥

俺は頭パニックになりかけてた矢先,右足の甲を何かに踏まれた。例えるなら,犬か猫が踏んだ様な
グニュとした柔らかいけど重みを感じる様な感じ。
『ホヒャッ!!』変な雄叫びを上げて跳び上がった。すぐにテーブルの下に目線がいく。
赤ん坊だった。今度は,はっきりと見た。裸の赤ん坊がハイハイしている。色白の肌,生えそろってない
髪の毛,顔は下を向いていたので見れない。キャッキャ言ってる。
完全にパニックだった。赤ん坊から目が離せなかった。恐怖で体も動かせなかった・・・と,その時,
『ガタッ,ガタタ』と音がした!瞬間的にガラス障子に目線を向けた。
俺の部屋にいた何かが障子を開け様としていた。2~3㎝空いた隙間から白い指が覗かせていた。
全身に鳥肌がたって,本能が ”逃げろ!! ”と叫んでいた!

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