洒落怖
東京のアパート

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39 本当にあった怖い名無し 2009/08/04(火) 14:41:10 ID:SIW1m7640
東京のアパート③

東京に来て11ヶ月経った頃には,上司のイビリで精神的にもピークがきてた。
仕事も大詰めを迎えていて,帰宅がAM3:00が続いたり,徹夜なんてザラだった。

そんなこんなで,嫌になっていた俺は3日間無断欠勤をした。気分はすでに地元に帰る気満々。
4日目に仕事場に行き,地元の会社に連絡。会社の課長はウダウダ言っていたが,聞く耳は無い。
仕事場の上司に『じゃあ,今から帰りますんで・・・。もう2度とココには戻りません!』って言ってやった。
すると上司は『お前がココで失敗して損失した分を責任かぶるのは上司である俺だ。それじゃ不公平だろ?
お前にも責任をかぶってもらわんとなぁ・・・。帰る前に10万をアパートのテーブルの上に置いていけ!
少しは誠意をみせてみろ!!』なんて言いやがった。
まぁ確かに,ココで失敗して出した損失は30~40万ぐらいになる。それに比べたら10万なんて安い方だ。
速攻で銀行に行き,10万+帰りの電車賃+土産代を下ろしてアパートに帰る。
金の入った封筒をテーブルの上に置き,荷造りをした。ダンボール5箱分を郵送して,俺自身,身軽になった。
アパートの鍵をかけ,鍵を玄関扉の郵便ポストに放りこんだ。

40 本当にあった怖い名無し 2009/08/04(火) 14:42:06 ID:SIW1m7640
東京のアパート④

気分洋々と恵○○駅に向った。時間はAM11時頃。今日の最終の新幹線に乗ればいいんだから
それまで最後の東京観光してもいいなぁ・・・なんて思ってた。
緑の窓口に行き,切符を手配。金を払う時に気が付いた。
(・・・やべぇ,アパートに忘れたorz)
それからアパートまで全力疾走。もうすぐ12時になる。上司は,たまに昼休みにアパートに帰る時がある。
(マズイ!それだけはマズイ!!あれだけ啖呵きったんだ。顔を合わせるのはマズイ!!)
3階の部屋の前まできて愕然とする。
(鍵を玄関ポストに放り込んだんだった!やべぇ!手が入らねぇぇ!)
どうしても手首より先に入らない。必死で考えた。不動産屋だ!不動産屋に行けば,鍵があるはず!
ダッシュで階段を駆け下り,斜め前の不動産屋に飛び込む。
『3階の○○ですけど,鍵を忘れてしまって・・・あの・・・鍵,貸してもらえませんか?』
だけど不動産屋は,担当者が鍵を持って食事に出ていて1時まで帰って来ないと言う。
(昼飯早えーし!!)と突っ込んでみても1時までは待ってられない。上司が帰って来るかもしれない!
さすがに焦った。ふと,ココからアパートを見る。クリーニングの看板。
『・・・そうだ!ハンガーだ!針金のハンガーを真っ直ぐに伸ばして引っ掛けよう!!』
考え自体は幼稚だったが,その時はそれが最善だと思った。すぐにクリーニング屋へ・・・。
事情を話しハンガーをもらった。時計を見ると11:45頃。時間が無い!すぐさま3階に駆け上がる。
ハンガーを真っ直ぐにして先のフックを玄関扉のポストに差し込む。

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