洒落怖
カラス

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ん?何だ?と思ったが、正体はすぐにわかった
それはカラスの大群だった
おびただしい数のカラスが電線のその区間だけに集中的に集まっていたのだ
しかも俺がそっちを向いた途端、そのカラスたちが一斉に鳴き出したのだ
ガァーガァーとやかましいそれは、正に騒音公害!俺は急いでベランダの窓を閉めた
めちゃめちゃビビったが、ベランダには最上階特権でハト避けネットが設置されているから大丈夫
と、思い直した
しかし、近隣住民の皆様も凄まじい騒音にどうしたどうしたと外に出てきてしまった

188 : 本当にあった怖い名無し : 2012/06/02(土) 15:59:48.92 ID:GjuYSOxy0
テンパった俺は、すぐに家から逃げ出してしまった
今考えると逃げる必要なかったんだけどな

外に出たはいいが行くところがない
とりあえず明日のテストのノートを友達にコピーさせてもらおうと思って、
携帯で友達をコンビニに呼び出した
でも遠くに呼び出すのは悪いので、友達の家に近いコンビニに呼び出した
そのせいで、コンビニには俺よりも友達の方が先に着いていた

コンビニのガラス越しに立ち読みする友達の姿を確認し、俺は自転車を端の方にとめた
その時、俺の後頭部に強烈な衝撃が走った
誰かに後ろから鉄パイプで殴られたような感覚だった
危うく意識がとびかけたが、なんとか持ちこたえた
痛ったっ!!って言いながら頭に手をやると、血がベットリ付いてる
俺の足元にはへこんだなっちゃんの缶、中身入り
どうやらこのなっちゃんが俺の頭に当たったらしい

俺に気付いた友達がコンビニから出てきて驚いてた
友達は半信半疑だったが、俺には確信があった
犯人はカラスだった
コンビニの屋根にとまっていた二羽のうちのどちらかが、上からなっちゃんを落としたんだ

189 : 本当にあった怖い名無し : 2012/06/02(土) 16:00:36.06 ID:GjuYSOxy0
それから友達の車で病院に連れて行ってもらった
傷はそれほど大したことはなく、頭がい骨陥没とかもなくてほっとした
友達に、家まで車で送るから今日の勉強会は来ずに大人しくしてろって言われた
俺は家にはあまり戻りたくなかったけど、友達には色々世話になったので従うことにした
ちなみにノートのコピーだけはちゃんと貰った

俺のマンションの前に到着し、友達の車を見送ってから、俺はあの電線を見た
まだ二・三羽残っていたが、群れはすっかり解散していた
俺はほっとして入口に回った
俺がマンションに入ろうとしたその時、上から白い何かが降って来た
それは、俺の鼻先をかすめるようにして、地面に衝突した
カーーンという何かが割れるような音が周りに響いた
そしてカァーカァーという聞き覚えのある声が・・・

はっとして見上げると、三羽のカラスが俺の頭上を飛んでいくところだった
全身の毛穴が開いていくのを感じた
落ちてきたのは白いビニール袋だった
その袋が破れんばかりに中に詰められた拳大の石を見て、俺は空いた口が塞がらなかった
もしこれが頭に当たってたら・・・
殺る気マンマンじゃねーか・・・・

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