業界、職業
工場にて

この怖い話は約 3 分で読めます。

しかし母、ベタベタする資材を計ってるときだったからスイッチを
つけられない。
「ちょっと!間違ってるよスイッチ!付けて付けてー!!」
と入口に向かって叫ぶと、
ドアからスッと白い作業服の袖が見えた。
資材棚の影に隠れて見えにくかったけど、
異様に細長い腕だったらしい。

例の分析室の若い子は小柄だからそんな長い腕のわけがない。
他の分析室のひとたちにも、そんな体型のひといない。
「え、誰?」と思っていると、
カチッと音がして、調味室の明かりがついた。
すると
「おつかれさまでーす」
とさっきの繰り返し音声のような声がまた聞こえた。

違和感を覚えながら母、叫ぶ。
「ちょっと!今度は分析室の明かりついたまま!
消して消して!」
すると…

801 : 本当にあった怖い名無し : 2012/05/12(土) 10:30:39.55 ID:94wVlapX0

カチカチカチカチカチカチ!
激しいスイッチの連打とともに、
調味室と分析室の明かりが付いたり消えたり。
あまりの勢いに
「なんか変なの出た!!(人間じゃない!)」
と震え上がったそうな。
カチカチが終わったあと、両方の部屋は真っ暗に。
結局、その後すぐに残業の様子を見に来た製造課長さんに泣きついて、
仕事全部押し付けて帰宅したらしい。
あとで課長さんから、真っ暗な部屋で立ち尽くしている母のが
異様で怖かったといわれたそうだ。

ひとつめこれで終わり。

802 : 本当にあった怖い名無し : 2012/05/12(土) 11:12:45.90 ID:94wVlapX0

ふたつめは、定年間際の頃。(その頃母、包装部門で勤務)

製造された食品を一時的に仮取りするために使う、
プラスチック製の「バット」という箱があって、
それらは使わないときは空き部屋にまとめて置いてある。
その空き部屋は、例の分析室・調味室があった旧工場の、
取り壊されずに残った部分にあった。

最近入った若い子なんかは、新しい工場設備が当たり前と思ってるから、
古い部分には行きたがらないらしい。
雰囲気怖いとか以前に、床がボロボロで台車でものを運ぶのも一苦労
というのが大きいみたいだけど。

803 : 本当にあった怖い名無し : 2012/05/12(土) 11:13:52.13 ID:94wVlapX0

で、あるとき現場でバットが必要になって、
若い子と二人でそれを取りに行った。

台車に積み上げて運ぶわけなんだけど、
床もガタガタだし安全面とか考慮して、
バットを積み上げるのは10段までという決まりがある。
大体、目より下の高さ。

若い子にそういう決まりとか、運ぶ時のコツとか教えて、
「あんた若いんだから運び係やんなさい!
私ここで積み上げとくから!」
と、指示。

2台車分若い子にそれを運ばせて、
一人でせっせと10段ずつ積み上げ。

この怖い話にコメントする

工場にて
関連ワード