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姉「これね、飾り棚じゃなくて箪笥だよ」
姉の話だと私がガラス張りの飾り棚だと思っていたものは鏡の付いてる箪笥だったのだそうです。
そして、そこは姉が昔寝ていた部屋だったと言うのですが、姉はこの箪笥にまつわる妙な体験をしたそうです。
姉がまだ二歳か三歳くらいの頃、その鏡にドレスを来た血まみれの女性が写ってるのを見たそうです。
姉は「夢だったんじゃないかと思うんだけど」と言っていましたが、その時一緒に寝ていた母は、姉が泣き叫びながら部屋を駆け回ってて目が醒めたと言います。
その箪笥の入手方法は詳しく聞かなかったのですが、母の口ぶりからどうやら中古だった様です。
660 本当にあった怖い名無し sage 2008/02/02(土) 12:30:32 ID:lXSB/zRqO
結局母にも姉にもその写真に女の人が写ってた様には見えなかった様です。
姉からアルバムを受け取り、私は釈然としないながらも再びその写真を確認しました。
そして見た瞬間、二人の言い分が正しい事に気付いて、黙ってアルバムを閉じました。
まぁ、そもそもその写真が撮られた時に影も形もない私が間違っているに決まっているのですが、その箪笥の鏡に写っているものが先程と違っていたのです。
否、写っているのは相変わらず女の人なのですが、先程は全身(だから絵だと思ったのですが)だったのが、今度は左側のみのバストアップ、絵ではない事は明らかでした。
変な写真を見つけた場合、それが余りに気味が悪い時は塩かけて焼いてしまうのですが、その写真に女の人が写って見えるのは私だけの様でしたたし、元々兄の物なので、兄には誰も何も言わずにアルバムを兄の部屋に戻しておきました。
後日母に写真が変わっていた事を言ったら、母は冗談っぽくこんなリアクションを撮りました。
母「それって何だかどんどん近寄ってきてるみたい。
次見る時は顔のアップになってたりしてね。
あ、でもお姉ちゃんにはこんな事言っちゃ駄目よ、あの子ビビりだから」
姉程ビビりじゃない私でも、写真そのものや姉の昔話よりもその言葉の方が余程不気味で、二度とそのアルバムは見ませんでした。
まぁ、急にこんな事を思い出したのは、鏡を見て『なんだか自分の顔、あの写真の人に似て来たなぁ』と思ったのがきっかけなんで、発想の悪趣味さはしっかり遺伝している様ですが。