洒落怖
ノイズ

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295 本当にあった怖い名無し 2007/10/18(木) 21:12:13 ID:+vVmpF1S0
と、ここで終わればただのつまらんオカルト話で終わるんだが、微妙なオチがつく。
Aと面会できるようになって数日たって、俺はAの病室を訪ねた。
そこには、前と変わらないAがいた。
両足骨折の重症なのに、両手はほぼ無傷。担いでたギターもとっさにかばって、ギリギリで壊れてなかったらしい。
「ギタリストの鏡だなwお前ギターさえもってなければもっと怪我軽かったんじゃね~の?」などと軽い談笑しながら、
恐る恐る聞いてみることにした。

296 本当にあった怖い名無し 2007/10/18(木) 21:13:23 ID:+vVmpF1S0
Aは言った。「俺もそれ、知ってる」と。
「A 俺、意識なかったからよくわかんねーけど、なんかずっと夢見てた気がするんだ。夢っていうのかわからないけどさ。」
「A その夢の中でノイズ研究、確かにしてたと思う。でも、俺自信は大事なギターに傷付けてる夢の中の俺に腹立ててるんだよ。」
「A こいつが俺でさえなけりゃぶっ殺してやる、とか。でも一日で何回か、違う行動をするんだ。」
「A 風呂とか便所とか、そういうのを除けばほかに俺がする作業はひとつだけなんだ。」
「A なぜか手元にあるケータイで、お前に電話するんだよ。夢ってなんかわけわかんねーじゃん?俺がギター壊すなんて夢でしか考えらんねーしw」
「A ただ、お前の声っていうか話だけはやたらリアルっていうか。で、ある日お前の声でおい!お前どこにいんだよ!家にいるんじゃねーのかよ!って」
「A 聞こえてきて、『そうだ、帰らなきゃ』と思ったら、目が覚めてそこは病院だったとw」
「A まぁお前のおかげで帰ってこれたよ、ありがとなww」
そういって、微笑んだ。

301 >>287 2007/10/18(木) 22:00:28 ID:+vVmpF1S0
ところが俺はそれどころではない。なんで現実世界の俺と夢の中のAがシンクロしてるんだ?
わけがわからない。ひょっとして俺も夢の中にいるとか…
はっと気付いて、ケータイ取り出した。だいたいこういう話で、あったはずのAからの「通知不可能」の着信が消え、
「俺に友人を連れ戻す力をくれたに違いない…」とか感動的なオチが待ってるに違いない、と
他力本願な確信をして。
願いむなしく着信は、しっかりと履歴に残っていた。「通知不可能」がものすごい数。
こうなってくるともう俺はわからない。もちろん、仲間が復活したんだから結果オーライではあるのだが
夢の中のAと、現実に生きる俺が、どうしてシンクロしてしまったのか。

302 >>287 2007/10/18(木) 22:01:16 ID:+vVmpF1S0
長くてごめん、これでラストw

変な話、俺はその間もちろんちゃんとバイトしてたのだから、勤務記録にも残ってるし、そもそもシンクロしてたと思われる時期に
うちのバンドは一回ライブだってやっている。客だっていたし、物販もちょっとだけど売れた。バンドHPのBBSにだってその日についての書き込みがされてる。
そして、その日のライブ後の打ち上げ時にAから電話を取っている。
当時、クビになったと思い込んでいた俺は、Aのバンドメンバーも参加していた打ち上げの席でAからの電話をとっていいものかどうか悩んだのを鮮明に覚えている。
まだある。100歩譲ってなんらか(このなんらかが問題なのだが w)の理由でシンクロしてしまった、としよう。
納得いかないが、無理やり納得したとするよ。でもそれにしても
アイツが病院で寝ている間、俺何度かアイツ見てる。スタジオで見かけてる。ギターボロボロにして、コイツらしくないと思ったの覚えてる。
ただそっちに関しては、A本人は「知らない」、まわりは「俺も見た」という人と「知らない」という人に別れる。
顕著な例では、うちのバンドのメンバー。俺は「見た」、ボーカルとドラムは「言われてみればなんとなくいたような…」ベースとギターは「そんなわけない」と3つに割れている。
スタジオのスタッフさんも、見た人と知らない人がいる。その日勤務してた人にわざわざ聞いてみても、回答は一緒だ。
現在、Aは完全に復活して、また「同じ地域で俺よりうまいギタリスト」の地位に立ち、元気にやっているし
俺も、いつまでも負けてられないのでがんばっている。
完全に元通りに戻ったのだ、Aが事故を起す前に。
ひとつだけ、どうしても解けない不可解な謎が残ったことを除いては…

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