洒落怖
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971 本当にあった怖い名無し sage 2008/03/08(土) 05:53:12 ID:aGan7dOX0
がいしゅつだったらすまそ。
968-969見てたら思い出した。

前に見た、実話小説だか漫画だかの話。
しかし細部が朧気なので若干創作込みだが。

警備員になりたての男がいた。
これは彼が警備にあたっていたあるビルでの話である。

その日、男は少々体調が優れなかった。どうも風邪を引いたようである。
鼻水や咳はそれほど酷いこともなかったし、なにしろ始めたばかりの仕事に
早々と穴を空けたくもなかったので、まあ大丈夫だろうと仕事についた。

実際、最初はそれ程でもなかった。しかし、長時間の仕事、おまけに
深夜にかかるシフトだったので、段々辛くなってきた。それでも交代の
先輩警備員が来るまでは何とかそつなく仕事をこなすことができた。

無事引き継ぎを終え、そのまま即家に帰っても良かったのだが、仕事を
終えたからということで気を抜いたからか、体のだるさはいっそう強く
なっている。男は少し考えて、仮眠室で休んで帰ろうと思い立った。
数時間ばかり眠れば、体調もマシになるだろうと考えたのである。

972 本当にあった怖い名無し sage 2008/03/08(土) 05:55:01 ID:aGan7dOX0
と、男は不意に目を覚ました。全く唐突にである。時計を見ると、どうやら
2時間程眠っていたようだ。気分は大分良くなっていて、しかし、はて、
どうしていきなり目を覚ましたのだろうと思っていると、 コンコン  音がする。

誰かが仮眠室のドアをノックしたのだ。先輩だろうかと思って、男は体を
起こしながら「はーい」と返事をした。扉を開けて、先輩が顔を出すのを
待っていたのだが、どれだけ待っても何の音もしない。あれ、と思って男が
ドアを開けて廊下を覗いてみると、誰もいない。おっかしいなあ、気のせいかあ?
男は首を捻りながらドアを閉め、布団に戻った。寝惚けていたのかもしれない。
まだ本調子じゃないからなあ、そう思って、横になろうとしたら、
  コンコン  また音がする。

絶対に気のせいじゃない。男は跳ね起きて、もう一度ドアを開けたが、
やっぱり今度も誰もいない。おかしい。絶対に気のせいじゃない。その時ふと、
もしかしてこれは幽霊という奴じゃないのかと、気が付いた。

男は元々幽霊を信じているとも信じていないとも言えないような、
そういったものに無関心な質だったが、どちらかというと恐がりではなく
そういったものを楽しむタイプであった。

だから、ちょっとおもしろいことを思い付いたのである。

973 本当にあった怖い名無し sage 2008/03/08(土) 05:59:05 ID:aGan7dOX0

「もしかしてここに幽霊がいるんですか。もしいるんなら、ノックして下さい」

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