洒落怖
踏切

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ついて来いと言われたのに玄関にも上げられず邪険に追い払われた僕は非常に腹が立っていました。
とりあえず、家に帰ってすぐさま先ほどの彼に電話するとなかなか出てくれません。
一分ほどコールした後ようやく電話口に出た彼はただ謝るばかり。何も話してはくれません。
それでもしつこく聞いていると、彼は父親に絶対に教えるなと言われたとだけ話してくれました。
しかし、そう言われると余計に気になるものです。
ただ、もうその夜出来る事はなかったため僕は床に就くことにしました。
その夜は怒りのせいか、疲れのせいか恐怖心はなくすーっと眠ることが出来ました。

夢を見ました。
鼻を突くツンとした臭いが漂っています。遠くに踏切があって、あの音が鳴っています。僕はそれを見つめるだけでまったく動くことは出来ません。

次の日も同じ夢を見ました。状況はまったく同じ。ただ、少しだけ踏切に近付いています。
毎日同じ夢を見ます。だんだん、踏切に近付いてゆきます。

それから数日、「彼」から無理やり話をききだしたところ
「僕と自殺した男は一つになっている」そうです。男は死ぬ直前、目が合った時に(理由はわかりませんが)
花束を置いたのが僕で、それも意図的であると直感し、憎んだそうです。
そして、同時に罪悪感を抱いた僕の感情と彼の感情がリンクして、僕に取り憑いた―むしろ混じったらしく
これは並大抵の力ではどうすることも出来ず、中途半端な力では飲み込まれてしまうそうです。

結局、僕は話を聞けたものの、どうすることも出来ず、今夜も眠らないように過ごしています。

原因は誰でも持っているような小さな好奇心でした。
ただ、人の命が関係する時にはその好奇心は眠らせた方が良いと思います。
でないと、僕と同じような目に会うことになってしまうかもしれないのですから。

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  • 匿名 より:

    馬鹿としか言いようがない

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