山の怖い話

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684 本当にあった怖い名無し sage New! 2012/09/24(月) 13:17:26.20 ID:ExBzGYmM0
「おーい、いるかー?」
と俺を呼ぶAの声がトイレの中から聞こえてきた。
「おーいるぞー」
と返事を返した。暗い廊下で待つのも限界だった俺はその声にとても安心した。
「おー、お前さぁ、今こっち来た?」
Aが突然そんなことを聞いてきたもんだから素っ頓狂な声で「ぅぇっ?」と言ってしまった。
「え、い、いや行ってないよ?どした?」
「まじで?え?じゃあ今上からのぞいてきたん誰よ?」
Aがそう言った途端、全身の血の気がサーっと引いていくのを感じた。
それと同時にトイレのすぐ近くにある食堂の入口の扉の窓が一斉にガタガタガタ!!と音を立てて揺れ出した。
俺はもうトイレの前でAを待つ余裕なんてなく、猛ダッシュで部屋に戻り布団にくるまった。

685 本当にあった怖い名無し sage New! 2012/09/24(月) 13:21:41.42 ID:ExBzGYmM0
結局そのあとストンと寝てしまい、翌朝Aに散々罵倒されるハメになった。
俺は昨日の夜のことが気になってAに詳しく聞いてみることにした。
「あのさ、昨日誰かがのぞいてきたとか言ってたけど、なにがあったんだ?」
「ん?あぁ、いやさ、ホラ、うんこするときって自分の足元見るじゃん?その足元見る姿勢でうんこしてたら突然影ができてトイレの個室が暗くなったんだよね
ちょうど人型くらいに。そんでお前がのぞいてるのかと思って上見上げたんだけど誰もいなかったし。…なに?あれ実はお前だったの?笑」
そんな体験をしているのにあっけらかんとしている友達を尊敬すると共にあることに気付いた。
人間がトイレの個室をのぞこうとするとせいぜい頭をぴょこっと出してのぞくのが限界だ。
だが友達は「足元に影ができた」と言っていた。だとすると友達をのぞいていた「それ」は水平に横になって友達を見つめていたことになるわけだ…。
水平に横になって無表情で友達のトイレをのぞく男を想像して俺はもう一度恐怖に震えた…。
今となっては思い出話だが小学生当時の俺からすると死ぬほど怖い体験だった。やっぱり山は怖い。

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