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937 名前: 時報(3) 2006/08/29(火) 17:25:09 ID:ouZ+ctOU0
二人は急いでその場を離れた。二人とも真っ青だった。得体の知れない恐怖って奴を目の当たりにしたんだ、当然だよね。
自宅の近くに来るまで、二人とも黙ったままだった。でも、あまりにも重い空気に耐えられず、BくんはAくんに話しかけたんだ。
B「…あんまり、気にするなよ?」
さっきの占い師の話だった。「12時ちょうど。」占い師は確かにそう言った。Aくんを指差してね。
A「…ああ。」
暗い声だったけれど、Aくんは返事を返した。Bくんの家が見えてきたので、二人はそこで別れたんだ。
Aくんが家に帰ると、リビングに夕飯の用意とメモが残されていた。
「今日は帰れません。夕飯はこれで済ませてください。母より」
Aくんは、予言されたときを一人で待つことになったわけだ。
夕飯と風呂を済ませてベッドに入ったけど、Aくんは眠れなかった。何故か目がさえてしまっていたんだ。
ふとAくんは、ベッド脇の目覚まし時計を見た。時計は9時ちょうどを指していた…あと3時間ってこと。
A(…あんなの…あんな交通事故…きっと、偶然さ。)
Aくんは自分を励まして、眠ろうと努力した。冷や汗を大量にかいていたけど、それも気にせずにね。
夜中。Aくんは異様な雰囲気を感じて目を覚ました。いつの間にか眠ってしまっていたらしい。
Aくんは慌てて時計を見た。時計は…9時ちょうどを指していた。
A「…え?」
Aくんは目を疑った。なんと時計が止まっていたのである。
異常な不安に駆られたAくんは、急いで部屋を出て、廊下にある電話を取った。
本当はリビングにある時計を見たほうが早いんだけど、気が動転していたんだろうね。彼は時報を聞こうとしたんだ。
「プ…プ…プ…ピーン…午後…11時57分…20秒をお伝えします…」
938 名前: 時報(4) 2006/08/29(火) 17:26:43 ID:ouZ+ctOU0
A(あと3分!)
Aくんは思わず身を強張らせた。12時ちょうどに何が起きるのか…時報を聞きながら、Aくんは座り込んだ。
「午後…11時58分…ちょうどをお伝えします…」
「午後…11時58分…30秒をお伝えします…」
12時が刻一刻と迫る中、Aくんは妙なことに気がついた。
A(この声…どこかで…)
「午後…11時59分…ちょうどをお伝えします…」
「午後…11時59分…30秒をお伝えします…」
A(…そうだ…あいつの声…)
そう、あいつ。誰だなんて言わなくてもわかるはずだ。
「午後…11時59分…50秒をお伝えします…」
A(あと10秒…9…8…7…6…?今、なんか音が…)
「プ…プ…プ…ピーン…」
時報が、12時ちょうどを告げた瞬間、Aくんの後頭部に衝撃が走った。
Aくんは、悲鳴をあげる暇もなくその場に倒れ伏した。
薄れ行く意識の中、Aくんの耳に時報が流れ込んでくる。
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