洒落怖
最後の言葉

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95 本当にあった怖い名無し sage 2014/03/01(土) 01:19:16.96 ID:ju4n8hZ30
私は初めての経験をみんなに伝えようとチャットを開いた。
同じタイミングで慌ただしく鏡夜からの書き込みがあった。

いまコンビニから帰って来たんだけど、途中で女の人の悲鳴が聞こえたから慌てて悲鳴の方に向かったら赤い服を着た女に襲われて首を締められた。
急いで帰ったんだけど赤い服を着た女、マンションの二階から飛び降りてた。
空を浮いたとしかおもえない、あれは絶対霊だ。

と書かれていた。
読むほどにバカらしく、この年代特有のかまってちゃん的な書き込みだろうと思った。
赤い服の霊は悪霊だと前に盛り上がったことがあったし、霊が飛べるのか否かの議論で鏡夜は飛べる派だったからだ。
私が今しようとしていたことが鏡夜と同じようなことだったので信じてもらえないだろうと結局書かずに携帯を閉じ、眠りについた。
次の日私は昨日のことを福耳の先生に話すため学校に行こうと思ったが起きたら遅刻の時間だったので昼から行くことにした。

96 本当にあった怖い名無し sage 2014/03/01(土) 01:20:52.80 ID:ju4n8hZ30
携帯を開くと鏡夜からメールが来てた。
内容は放課後会いた、いだった。SNSでは禁止されていたが、鏡夜と私は同い年で学校嫌いという共通点で意気投合してメールアドレスを交換していた。中学も近くだったのでお互い学校に行けた日は中間地点の公園で会ったり休日はお互いの家で遊んだりしていた。
学校に行くつもりだった私は鏡夜にわかったいつもの公園で、と返信して身支度を始めた。
学校につくとクラスメイトから相変わらずの社長出勤だな、などと冷やかされ早速帰りたくなっていた。
ちなみに、この時期のあだ名はストレートに社長で高校、大学でもついて回った。
放課後になり、私は福耳の先生を探した。
先生は理科準備室で理科の担当教官のT先生とお茶していて、私はそこに図々しく座り込んでお茶を出してもらった。
昨夜見た光の下で消えるおじさんの話をするとT先生は呆れたように早く寝ないから遅刻するんだと言った。

97 本当にあった怖い名無し sage 2014/03/01(土) 01:24:21.20 ID:ju4n8hZ30
福耳の先生は何時ものようにじっと私を見つめた。
「それより、今夜は気をつけなさい」
そう小さな子に言い含めるように私に言って早く帰らないと文化祭の準備に連れてくぞと脅した。
T先生が準備にもでてないのか!と怒り出す気配だったのでお茶のお礼を言って足早に学校を出て鏡夜の元に向かった。
鏡夜はすでに公園のブランコに乗って待っていた。
肌寒くなってきていたがこの時期には早すぎるマフラーを首に巻きつけて。
私は隣のブランコに座りマフラー暑くないの、と聞いた。
鏡夜はぱっと私の顔を見てどうしようそう小さく漏らした。
どうしようってどうしたの。
「あの書き込みの後、お風呂に入ったんだ。入る前は何もなかった。なにもなかったんだよ!出たらこうなってたんだ!」
泣きそうな顔で鏡夜は首のマフラーをとって学ランの第一ボタンを開けた。
そこには首を絞めたような痣が残っていた。

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