洒落怖
二股

この怖い話は約 3 分で読めます。

俺が大学2年の頃、バスケの練習試合で足の靭帯を断裂して入院したことがあった。
地元から離れた大学に進学していたがため、1ヵ月という長い入院期間も考えて地元の病院に入院することにした。
当時俺には同い年の彼女がいて、彼女は大学で知り合った華奢な童顔の女の子だった。以後A美とする。
A美はお見舞いにこそ来たがったが、入院先が余りにも遠いため1日一回の電話を約束に遠慮してもらった。
いざ入院して手術が終わると、その後1ヵ月の車イス生活が保証される。笑
右足の靭帯を手術したので、右足だけ地面と水平に固定された状態で車イスに乗っていた。
そんな状態だったので、特にすることもなく、楽しみといったら可愛い看護師さんを眺めるくらいだった。
看護師さんの中でも断トツで可愛かったのが俺よりも4つ年上のB子さん。
A美と同じく華奢で、若干つり目が印象的な、俺としてはかなりタイプだった。今考えるとどうしようもないクズ野郎だが、当時の俺はかなり盛っていて、彼女がいるにも関わらずB子さんを口説くことに夢中になっていた。 269 本当にあった怖い名無し sage 2013/09/10(火) 02:33:13.96 ID:m4SIJDH80
B子さんはなかなかガードが固く、口説くのにも一苦労だった。最後は俺のしつこさに負けてか電話番号とメールアドレスを教えてくれた。
それからというもの、メールのやりとりなどを盛んにおこないB子さんの素性がわかり始めた。どうやらB子さんには彼氏がいるらしく、もう6年間も同棲しているという。少し残念だった。しかし、うまくいっていないようで、口も聞いていないそうだ。
これはチャンスとばかりに猛アタックし、俺はB子さんと付き合い始めることになった。

それからというもの、俺はA美とB子さん、二足のわらじ生活が始まったのである。
B子さんは俺の病室によく顔を出すようになり、 B子さんに気づかれないようA美に日中ちょくちょくメールを送り、B子さんが帰ってからA美と電話、B子さんが家についた頃を見計らってB子さんと電話するといったキ○ガイじみた二股だった。

271 本当にあった怖い名無し sage 2013/09/10(火) 02:37:38.09 ID:m4SIJDH80
電話は、もちろん病室ではできない。俺の部屋は4階だったが、電話できるスペースは1階のホールしかない。いつも仕方なくエレベーターで降り、電気の消えたホールで寂しく
電話していた。
怖かったのは、夜のホールは「出る」らしいという噂であった。なんでも、1年前に亡くなった女の子の幽霊が出るというのだ。
その女の子は喘息持ちだったようだ。ホールで発作が起こり、薬を吸入しようとしたが、薬が空になっており、
助けを求められずに苦しみながら死んでいったという。巡回していた看護師さんが気付いていれば、助かったかもしれないが。
そんなこんなで、ホールで電話するのはあまりよい心地ではなかった。
一方、B子さんとはかなり仲良くなり、退院したあとB子さんの手料理を振る舞ってもらう約束も、B子さんの家にお泊まりする約束まで取り付けた。
もちろんB子の方がA美さんより好きだったので、A 子さんはあわよくば現地妻(地元だけど笑)みたいにしようと思っていた。我ながらゴミみたいな人間だ。

この怖い話にコメントする

  • 匿名 より:

    クズは何してもクズ

  • 二股