洒落怖
二股

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273 本当にあった怖い名無し sage 2013/09/10(火) 02:42:20.93 ID:HNWkBNVU0
ある日、B子さんが俺の病室に来ない日があった。俺は、今日は忙しいんだろうぐらいにしか思っていなかった。
夜になって、いつものようにホールに降り、A美と電話していた。
そしたら、A美が変なことをいい始めた。
A美「なんだかカチカチ聞こえるんだけど?」
俺「カチカチ?なにそれ?どこから?」
A美「電話越しに聞こえるのよ。回りに誰かいるの?」
俺「怖いこと言うなよ、気のせいだろ?」

俺も怖くなったので、夜遅いからと理由をつけてA美との電話を切った。
このカチカチは、死んだ女の子の警告だったのかもしれない。

274 本当にあった怖い名無し sage 2013/09/10(火) 02:44:24.31 ID:HNWkBNVU0
さて、次はB子さんとの電話だ。
電話を掛ける。
プルルルルプルルル

その時ゾッとした。俺の発信と同時に、ホールに他の携帯の着信音が響き渡ったのだ。
辺りを見回すが誰もいない。
「B子さん?」
声がうわずった。もしや、A美との電話を聞かれていたんじゃ?

ツーツー

電話は切れた。響き渡っていた着信音も消えた。

チビりそうだった。1階の便所は怖すぎる。早く4階に上がって用を足してベットにくるまりたい。エレベーターのボタンを連打し、乗り込む。「4階です」というアナウンスと共に扉が開く。

B子さんが立っていた。笑っていた。

275 本当にあった怖い名無し sage 2013/09/10(火) 02:46:28.47 ID:HNWkBNVU0
「こんな遅くにどうしたんですか?」
「今日は夜勤よ。それよりあなたこそこんな遅くにどうしたの?」

そのあとの記憶があまり定かじゃない。なんとか取り繕って、ベッドに帰り、事なきを得た気がする。

それからしばらく、病院でB子さんを見なかった。メールを送ってもメールは帰ってこなかった。電話もでなかった。

276 本当にあった怖い名無し sage 2013/09/10(火) 03:03:49.79 ID:5lRQAqkA0
ある日、A美とも連絡がとれなくなった。
次の日、友人から電話がかかってきた。A美の家が全焼したという知らせだった。
2体の焼死体が発見された。遺体の状態がひどく、性別もわからないらしい。
おれはなんとなく、A美が死んだことを悟った。A美は一人暮らし。どうせおれの入院中に他の男を連れ込んでいたんだろう。
もう一人ぶんはその男のものだ。心は痛まなかった。
むしろこれでB子さんとずっと一緒にいれる、そう思っていた。

退院後、おれは松葉づえをつきながら、B子さんの家を訪れた。

B子さんと、たわいもない話で盛り上がったり、手料理のナスの炒めものはとても美味しかった。B子さんは、おれのことを殺してずっと家においておきたいくらい好きだといってくれた。おれは、防腐処理だけはしてくれよと笑った。
B子さんはかわいそうな人だった。
同棲していた付き合った彼氏が1年前に浮気したのだ。相手はB子さんの病院に入院していた女だったそうだ。吸引器がカチカチうるさくて、しゃくにさわる。でもB子さんは優しいからカチカチが好きならと、たくさんカチカチしてあげたそうだ。

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  • 匿名 より:

    クズは何してもクズ

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